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眼科の内装デザインで押さえるポイントは?選ばれるクリニック作りを解説|テナント工房メディカル

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眼科クリニックの開業やリニューアルを検討する際、内装デザインは単に見た目を美しくするだけでなく、クリニックの成功を大きく左右する重要な要素です。患者様が安心して治療を受けられる環境、スタッフが効率的に働ける空間、そして他のクリニックとの差別化。

これら全てを実現するためには、戦略的な内装設計が不可欠です。本記事では、眼科の内装デザインで押さえるべきポイントを、基本コンセプトからエリア別の注意点、費用相場、業者選びまで網羅的に解説します。

 

 

眼科の内装デザインがクリニックの成功を左右する理由

眼科の内装は、クリニックの「顔」とも言える部分であり、患者様の第一印象を決定づけます。また、日々の診療効率やスタッフの働きやすさにも直結するため、その設計は極めて重要です。

デザイン性の高さはもちろん、機能性や安全性にも配慮した内装は、クリニック経営の安定化に大きく貢献します。

 

患者様の安心感と信頼性への影響

患者様の安心感と信頼性への影響

多くの患者様は、少なからず不安を抱えてクリニックを訪れます。清潔感があり、温かみのある落ち着いた内装は、その不安を和らげ、リラックスして待ち時間を過ごしてもらう助けとなります。

空間全体から伝わる安心感は、医師やスタッフへの信頼感にも繋がり、「またこのクリニックに来たい」と思わせる重要な要素になるのです。

 

スタッフの業務効率と満足度への影響

考え抜かれた動線設計やレイアウトは、スタッフの不要な移動を減らし、業務効率を大幅に向上させます。例えば、検査室から診察室、スタッフルームへの動線がスムーズであれば、患者様の案内やスタッフ間の連携が円滑になり、診療の質を高めることができます。

働きやすい環境は、スタッフの満足度向上にも繋がり、離職率の低下や医療サービスの質の維持に貢献します。

 

他のクリニックとの差別化戦略

眼科は専門性が高い一方で、地域によっては競合が多い診療科でもあります。その中で患者様に選ばれるためには、医療技術だけでなく、クリニックの持つ独自の魅力が必要です。

内装デザインは、クリニックの理念やコンセプトを視覚的に表現し、ブランドイメージを構築するための強力なツールとなります。例えば、特定のターゲット層(小児や高齢者など)に合わせたデザインを取り入れることで、他院との明確な差別化を図ることが可能です。

 

眼科の内装を成功に導く5つの基本コンセプト

眼科の内装デザインを計画する際には、具体的な設計に入る前に、クリニック全体の基本コンセプトを固めることが重要です。どのような空間を目指すのかを明確にすることで、デザインに一貫性が生まれ、より質の高いクリニックが実現します。

 

コンセプト1:清潔感と温かみを両立させる

医療機関である以上、清潔感は最も重要な要素です。白を基調とすることは基本ですが、それだけでは無機質で冷たい印象を与えがちです。

壁の一部に木目調の素材やアースカラーを取り入れたり、間接照明を効果的に使用したりすることで、清潔感を保ちながらも温かみのある、リラックスできる空間を演出できます。

要素 清潔感を出す工夫 温かみを出す工夫
色彩 基調色は白やライトグレー アクセントにベージュや淡いグリーン
木目調
素材 汚れにくく清掃しやすい床材や壁紙 天然木材
ファブリック素材の椅子
照明 明るく清潔な印象の昼白色の照明 暖色系の間接照明
ペンダントライト

 

コンセプト2:患者様の緊張を和らげられる照明

眼科では、検査や診察で患者様の目に負担がかかる場面があります。そのため、照明計画は特に重要です。

待合室や廊下は、直接光が目に入らないように間接照明を主体とし、柔らかく落ち着いた明るさを確保することが望ましいです。一方、診察室や処置室では、手元を正確に照らすための十分な照度が必要であり、調光機能のある照明器具を選ぶと良いでしょう。

 

コンセプト3:幅広い年代に配慮した色使い

幅広い年代に配慮した色使い

眼科には、小さなお子様からご高齢の方まで、非常に幅広い年齢層の患者様が訪れます。そのため、内装のカラーリングは、特定の世代に偏らず、誰もが心地よいと感じる普遍的なデザインが求められます。

刺激の強い原色は避け、目に優しい淡いグリーンやブルー、ベージュなどを基調にすることで、落ち着いた雰囲気を醸成できます。

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コンセプト4:将来の変化に対応できる柔軟性

開業後、医療機器の増設や診療内容の変更が必要になる可能性も考慮しておくべきです。将来的なレイアウト変更に備え、間仕切り壁を可動式にしたり、電源やLAN配線を増設しやすいように設計したりと、柔軟性を持たせた空間づくりが長期的な視点では重要になります。

最初から完璧に作り込むのではなく、将来の変化に対応できる「余백」を残しておくことが成功の鍵です。

 

コンセプト5:ブランディングを意識したデザイン

内装デザインは、クリニックの理念や個性を伝えるブランディングの一環です。ロゴマークの色を内装のアクセントカラーとして使用したり、クリニックのコンセプトに合わせたアートを飾ったりすることで、空間全体に統一感が生まれます。

この「クリニックらしさ」が患者様の記憶に残り、再来院へと繋がるのです。

 

【エリア別】眼科の内装設計で押さえるべき重要ポイント

眼科クリニックは、受付・待合室、診察室、検査室など、エリアごとに求められる機能や役割が大きく異なります。それぞれの空間の特性を理解し、最適な設計を行うことが、患者様とスタッフ双方の満足度を高める鍵となります。

 

【受付・待合室】居心地の良さと機能性の両立

居心地の良さと機能性の両立

受付は患者様が最初に訪れる場所であり、クリニックの第一印象を決定づけます。カウンターは、車いすの方でも利用しやすいように一部を低く設計するなどの配慮が求められます。

待合室は、検査などで待ち時間が長くなることを想定し、座り心地の良いソファを配置したり、雑誌やモニターを設置したりして、快適に過ごせる工夫が必要です。

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【診察室】コミュニケーションが取りやすい空間

診察室は、医師と患者様が対話する重要な空間です。プライバシーに配慮しつつも、圧迫感を与えない適度な広さを確保することが大切です。

電子カルテのモニターが患者様から見えすぎないような配置や、医師と患者様の目線が合いやすいレイアウトを工夫することで、信頼関係を築きやすい環境が生まれます。

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【検査室・暗室】医療機器の配置と電源計画

眼科は、視力検査機や眼圧計など多種多様な医療機器を使用するため、検査室の設計は極めて重要です。各機器のサイズや必要なスペースを事前に正確に把握し、コンセントの位置や数を計画的に配置する必要があります。

特に暗室は、完全な遮光性が求められるため、扉の構造や換気設備にも注意が必要です。

 

【手術室】衛生管理と安全性の確保

白内障の日帰り手術などを行う場合は、手術室の設置が必要です。手術室の内装材は、清掃しやすく、ホコリがつきにくい抗菌仕様のものが求められます。

また、手術に必要な医療機器や電源、医療ガス配管などを適切に配置し、執刀する医師やスタッフが安全かつ効率的に動けるスペースを確保することが絶対条件です。

 

【スタッフルーム】働きやすさを支える環境作り

スタッフが休憩や事務作業を行うスタッフルームは、オンとオフを切り替えられるリラックスできる空間であることが理想です。カルテの保管スペースや着替え用のロッカー、休憩用のテーブルなどを機能的に配置し、スタッフが快適に過ごせる環境を整えることは、医療サービスの質の維持・向上に繋がります。

 

患者とスタッフのための効率的な動線計画のポイント

動線計画は、クリニック内の人の流れをスムーズにし、診療効率と患者満足度を向上させるための根幹となる設計です。特に眼科は検査が多いため、動線が複雑になりがちです。

計画段階で綿密にシミュレーションを行うことが成功の鍵を握ります。

 

患者動線とスタッフ動線を分離する

患者動線とスタッフ動線を分離する

患者様の動線とスタッフの動線は、可能な限り分離することが理想的です。両者が交錯すると、患者様が移動に戸惑ったり、スタッフの作業効率が低下したりする原因となります。

例えば、受付から検査室、診察室、会計へと続く患者様の流れを一方通行に設計し、スタッフはバックヤードを通って各エリアへアクセスできるようにすると、院内の混乱を避けることができます。

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視覚的に分かりやすいサイン計画を取り入れる

目の不自由な方や高齢の患者様も多いため、院内の案内表示(サイン)は非常に重要です。文字を大きくする、コントラストの強い配色にする、ピクトグラム(絵文字)を活用するなど、誰にでも直感的に理解できるデザインを心がけましょう。

また、床に色分けしたラインを引いて次の検査室へ誘導するなど、視覚的に動線を示す工夫も有効です。

 

車いすでもスムーズに移動できる通路幅を確保する

バリアフリー設計は、現代のクリニックにおいて必須の要件です。院内の段差をなくすことはもちろん、車いすの患者様やベビーカーを利用する方がスムーズに移動できるよう、通路や出入口の幅は十分に確保する必要があります。

一般的に、車いすが回転できるスペースとして、150cm四方の広さが目安とされています。

設計項目 推奨される仕様 目的
通路幅 90cm以上(有効幅員) 車いすの通行
出入口 引き戸または自動ドア 開閉のしやすさ
床材 滑りにくく、段差のない素材 転倒防止
トイレ 手すりの設置、十分なスペース 安全な利用の確保

【参考】:国土交通省:第3章 基本寸法

 

眼科の内装工事にかかる費用相場と内訳

内装工事の費用は、クリニック開業における大きなウェイトを占めます。事前に費用相場や内訳を理解しておくことで、適切な資金計画を立て、予期せぬコスト増を防ぐことができます。

費用は物件の状態やデザイン、使用する素材によって大きく変動します。

 

内装工事費用の主な内訳項目

内装工事費用の主な内訳項目

内装工事費用は、大きく「設計費」「内装工事費」「設備工事費」に分けられます。内装工事費には、仮設工事、解体工事、壁・床・天井の仕上げ工事などが含まれます。

設備工事費は、電気・ガス・水道の配管工事や、空調・換気設備の設置工事などを指します。これらの項目を詳細に記した見積書を業者から取得し、内容を精査することが重要です。

 

坪単価の目安と変動要因

クリニックの内装工事における坪単価の一般的な目安は、40万円~80万円程度と言われていますが、これはあくまで参考値です。スケルトン物件(内装が何もない状態)から工事を始める場合は高くなる傾向があり、居抜き物件(前のテナントの内装が残っている状態)を活用する場合は費用を抑えられる可能性があります。

また、使用する建材のグレードや、導入する設備の性能によっても費用は大きく変動します。

 

費用を抑えつつ質を担保するコツ

コストを抑えるためには、デザインや機能に優先順位をつけることが大切です。例えば、患者様の目に触れる待合室には質の高い素材を使用し、バックヤードは標準的な仕様にするなど、メリハリのある投資を検討しましょう。

また、複数の業者から相見積もりを取り、価格だけでなく、提案内容や実績を比較検討することが、コストパフォーマンスの高い業者選定に繋がります。

 

信頼できる内装業者を選ぶための比較ポイント

内装業者選びは、クリニックの完成度を左右する最も重要なプロセスの一つです。デザイン力や技術力はもちろん、医療施設、特に眼科特有の要件を深く理解しているパートナーを選ぶ必要があります。

 

医療施設、特に眼科の施工実績を確認する

最も重要なのは、クリニック、特に眼科の設計・施工実績が豊富かどうかです。過去の実績を確認することで、その業者が持つデザインの傾向や技術力を把握できます。

可能であれば、その業者が手掛けたクリニックを実際に見学させてもらうと、より具体的なイメージを掴むことができるでしょう。

 

設計から施工まで一貫して対応可能か確認する

設計から施工まで一貫して対応可能か確認する

設計事務所と施工会社が別々の場合、両者の連携がうまくいかないと、意図したデザインが実現しなかったり、工期が遅れたりするリスクがあります。設計から施工までを一貫して請け負う業者であれば、責任の所在が明確であり、スムーズなプロジェクト進行が期待できます。

 

見積もりの内容が詳細で明確か精査する

提出された見積書が「一式」といった大雑把な記載ではなく、各工事項目について単価や数量が詳細に記載されているかを確認しましょう。不明瞭な点があれば、遠慮なく質問し、納得できるまで説明を求めることが大切です。

誠実な業者は、質問に対して丁寧かつ明確に回答してくれるはずです。

 

まとめ

本記事では、眼科の内装デザインにおける重要なポイントを、多角的な視点から解説しました。成功するクリニックの内装は、単に美しいだけでなく、患者様への配慮とスタッフの働きやすさを両立させた、機能的な空間であることが不可欠です。

この記事で紹介した基本コンセプトやエリア別の注意点を参考に、ご自身の理想とする医療理念を形にし、地域で長く愛されるクリニックを創り上げてください。信頼できるパートナーとなる内装業者を見つけることが、その第一歩となるでしょう。

 

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