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診察室のレイアウトと内装デザインのポイント3選

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診察室のレイアウトと内装デザインのポイント3選

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クリニックの内装工事を行うときは、医師や患者様が長い時間を過ごす診察室のレイアウトに気を配りましょう。

例えば、診察室の内装デザインによって、患者様が感じるストレスの度合いは大きく変化します。不安な気持ちで来院した患者様が、快適で居心地良く過ごせるような空間づくりが必要です。

また待合室やその他の部屋との動線や、什器・備品の配置などを考慮しない場合、診察のしやすさに悪影響が出る恐れがあります。効率的なクリニック運営に向けて、施工会社と相談しながらレイアウトを決めていきましょう。

本記事では、診察室のレイアウトの考え方や、内装デザインを決めるときに意識したいポイントを診療科別に紹介します。

 

≪診察室のレイアウトと内装デザインの重要性≫

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クリニックの内装工事を行う上で大切なのが、レイアウト(空間設計)と内装デザインの2点です。特に診察室は、医師・患者様がともに使用する場所のため、しっかりと時間を掛けて内装工事のプランを考える必要があります。

診察室のレイアウトや内装デザインに気を配ることで、来院した患者様に心理的な安心感を与え、円滑なコミュニケーションを促すことが可能です。

 

患者の心理的な安心感を与えるため

診察室のレイアウト・デザインが重要な理由の一つは、来院した患者様のストレスに関わってくるためです。

特に医師と対面し、診断や治療が行われる診察室は、患者様にとって緊張を感じやすい場所の一つです。患者様の心理的な負担を少しでも和らげるため、診察室の内装デザインを工夫しましょう。

例えば、診察室の色彩は患者様に心理的な影響を及ぼします。診察室というと、白をイメージする方もいるかもしれませんが、同じ白でも青みがかった白は、人間にとって刺激になることもある色です。

そこで白のかわりに温かみのあるオレンジや、リラックス効果のあるベージュ、前向きな気分になれるイエローを採用するなど、カラーコーディネーションを工夫すると、診察室で過ごす患者様の不安が和らぎます。

色彩の他にも、照明や家具の配置などによって、患者様が受けるストレスは変化します。さまざまな要素を考慮して、患者様がなるべく快適に過ごせるようなレイアウト・デザインを考えることが大切です。

 

医師と患者の円滑なコミュニケーションを促すため

2つ目の理由は、診察室のレイアウト・デザインによって、医師と患者様の話しやすさが変わってくるためです。

コミュニケーションにおいて大切なのが、医師と患者様、または付き添いのご家族との心の距離感です。そして医師と患者様の心の距離感は、家具の種類やレイアウト、高さなどの条件によって大きく変わります。

例えば、医師と患者様が座るイスは、対面の位置よりも横並びや90度の角度で並んでいる方が、心理的な圧迫感が少なく、話しやすい距離感になります。 また机やイスの高さも大切です。例えば、机やイスの高さが合わず、患者様の目線よりも医師の目線が高くなっている場合、患者様によっては高圧的な印象を感じる場合があります。もし不安な場合は、高さや位置を後で変えられる家具を導入すると、患者様との距離感に応じて調整できます。

その他、診察室の照明の明るさや色温度(光の色)も、医師と患者様の話しやすさに影響を及ぼす要素の一つです。医師と患者様の円滑なコミュニケーションという観点から、診察室のレイアウトやデザインを考え抜きましょう。

 

≪ポイント①診察室レイアウトの基本≫

診察室のレイアウトを決めるときは、待合室やその他の部屋との動線を考慮し、医師や患者様が行き来しやすいようにしましょう。また来院した患者様のプライバシーに配慮しつつ、院内での利便性が損なわれないようなレイアウトも大切です。

ここでは、診察室のレイアウトを考えるときに意識したい2つのポイントを紹介します。

  • ●待合室やその他の部屋との動線を考慮する
  • ●プライバシーと患者の利便性の両立を図る

 

1. 待合室やその他の部屋との動線を考慮する

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診察室のレイアウトで大切なポイントの1つ目は、診察室の周辺にある待合室やその他の部屋への動線(人の動き)を考慮することです。

動線の種類 動線別の留意点
患者動線 さまざまな年齢や身体状況の患者様が来られることを想定し、
待合室や診察室、検査室などを行き来しやすいようにする
スタッフ動線 医師やスタッフが仕事をする際に、無駄な移動が発生せず、
また患者様との接触が必要最低限になるようにする
裏動線 患者様が利用しない場所(院長室やスタッフルームなど)は、
スタッフと患者様が接触せず、かつ患者様から見えないようにする

 

医師やスタッフ、患者様が移動する場面を具体的にイメージして、無駄な動きが発生しないようなレイアウトにしましょう。

 

2. プライバシーと患者の利便性の両立を図る

2つ目のポイントは、患者様のプライバシーを確保しつつ、同時に利便性を失わないようなレイアウトを意識することです。診察室は、患者様が自らの病状や健康状態について相談する場所です。患者様が安心して話せるよう、診察室を個室にしたり、壁や床に吸音材を使用したりと、プライバシー対策が欠かせません。

ただし、クリニックのスペースの関係上、診察室を個室にするのが難しいケースもあるでしょう。その場合は、仕切りやカーテン、パーテーションなどを設置すれば、他の患者様からの視線を遮ることができ、診察室も狭くなりません。患者様のプライバシー対策と利便性・快適性の両立を図ることが可能です。

 

≪ポイント②診察室の内装デザインのコツ≫

診察室の内装デザインによって、クリニックの雰囲気は大きく変化します。来院した患者様が安心でき、快適に過ごせる環境になっているか、という観点から内装デザインを考えましょう。

またクリニックの内装工事では、医療機関としてふさわしい清潔感や、院内の消毒・メンテナンスがしやすいつくりなど、他の業種にはない工夫も求められます。内装工事のプランを決めていく段階で、以下の4つのコツを意識してみましょう。

  • ●明るく清潔感のある空間を演出する
  • ●消毒やメンテナンスをしやすいつくりにする
  • ●照明計画をしっかり考える
  • ●什器・備品の配置を工夫する

 

1. 明るく清潔感のある空間を演出する

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1つ目のコツは、明るく清潔感のある空間を演出することです。

診察室は患者様が長い時間を過ごす場所です。そのため、診察室の内装デザインは患者様の印象に強く残ります。万が一、診察室が不潔で衛生的でないという印象を与えてしまうと、患者様が「この病院は大丈夫なの?」と不安を感じる原因になります。

診察室には、隅々まで清潔感の感じられる内装デザインを取り入れて、患者様になるべく良い印象を与えましょう。例えば、ブラウンやグレー、オフホワイトなどのカラーを基調としたデザインなら、明るく清潔な院内空間を演出できます。

 

2. 消毒やメンテナンスをしやすいつくりにする

2つ目のコツは、院内の消毒やメンテナンスをしやすいつくりにすることです。例えば、以下のような工夫が挙げられます。

  • ●診察室の近くに手洗い場を設置し、医師やスタッフがすぐに手を洗えるようにする
  • ●待合室に消毒コーナーを設け、患者様が診察室に入る前にアルコール消毒できるようにする
  • ●診察室に設置する家具や備品は、繰り返し消毒できるよう耐アルコール・耐次亜塩素酸性の製品を選ぶ

特にコロナ禍以降は、院内感染対策の一環として、アルコール消毒や次亜塩素酸ナトリウムによる消毒を行う機会が増えました。例えば、医師や患者様が座るイスは、耐アルコール・耐次亜塩素酸仕様の製品を選ぶと、繰り返し消毒を行っても劣化や色落ちせずに長く使えます。

 

3. 照明計画をしっかり考える

3つ目のコツは、明るさや色温度(光の色)などの観点から、照明計画をしっかりと考えることです。

診察室の照明は、患者様の心理的な安心感や、コミュニケーションの取りやすさに影響します。例えば、温かみがある色の照明(オレンジ系など)は、患者様をリラックスさせ、緊張せずに話せる空間づくりにつながります。

診察室というと、明るく白い照明のイメージがあるかもしれません。明るく白い照明にもメリットはありますが、明るすぎたり刺激が強すぎたりすると、患者様にとってストレスの原因になります。特に光過敏の症状がある方(片頭痛など)は、明るく白い照明を苦手としているため、診療科によって照明の色・明るさの使い分けをすることも検討しましょう。照明について分からないことがある場合は、施工会社の担当者に相談してください。

 

4. 什器・備品の配置を工夫する

4つ目のコツは、患者様が気持ちよく過ごせるよう、什器・備品の配置を考えることです。診察室には、さまざまな什器・備品を設置します。

  • ●診察デスク
  • ●診察ベッド
  • ●患者用イス
  • ●医師用イス
  • ●荷物置きカゴ 等

 

また診療科によっては、専用の検診台やスライドテーブルなども必要です。什器・備品が所狭しと並んでいると、患者様にとって窮屈な印象を与えてしまいます。診察室の内装は、必要最低限のスペースを確保した上で、什器・備品の配置を工夫し、ゆとりを感じられるように設計しましょう。

 

≪ポイント③診療科別の診察室のレイアウト・デザイン≫

診療科によって、診察室に求められるレイアウトや内装デザインが変わってきます。ここでは、歯科医院・産婦人科・小児科・整骨院・美容クリニック・動物病院の6つの診療科を例に挙げて、内装工事の前に知っておきたいポイントを紹介します。

 

歯科医院

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歯科医院の診察室は、個室ではなく、広々とした部屋で複数の患者様を診察できるようなつくりが一般的です。患者様のプライバシーを確保するため、診察室に仕切りやカーテン、パーテーションを設置し、他の患者様からの視線を遮りましょう。

 

産婦人科

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産婦人科の場合は、バリアフリー設計を意識した内装デザインが必要です。診察室や入口は、転ばないように足元の段差をなくしたり、ドアを開けるときに引っ掛かりにくい引き戸にしたりして、妊娠中の患者様にとって負担の少ないレイアウトを意識しましょう。また子連れの患者様も来院されるため、授乳室やおむつ交換台、キッズスペースなどの設備があると便利です。

 

小児科

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小児科の場合、子どもの患者が不安やストレスを感じないよう、明るくポップな内装デザインが適しています。また子どもの患者は、床に座ってしまうこともあるため、クリニックの入口に靴箱を設置し、待合室や診察室では靴を脱ぐようにすると衛生的です。

 

整骨院

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接骨院や整骨院の場合、高齢の患者様も頻繁に来院します。院内の段差を減らし、バリアフリーに配慮するとともに、施術前にリラックスできるようなカラーコーディネーションを採用しましょう。

 

美容クリニック

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美容クリニックの場合、おしゃれで洗練された印象の内装デザインが適しています。柔らかな光が広がる間接照明や、格調高い白・ゴールドなどのカラーを取り入れ、ゴージャスな空間を演出しましょう。

 

動物病院

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動物病院の診察室の場合、飼い主だけでなく、ペットがリラックスして過ごせるような空間設計が必要です。ペットが緊張や恐怖を感じないよう、自然を感じられる木目調のデザインや、ベージュやオフホワイトなどの衛生的で落ち着いたカラーを採用しましょう。また院内にペットが遊べるスペースを用意すると、診察前に遊んでもらい、リラックスした状態で治療を行えます。

 

≪クリニックのレイアウト・デザインの事例≫

ここからは、クリニックのレイアウト・デザインがイメージできるような施工事例を2つ紹介します。

 

店舗があまり大きくないので、長居ができるような間取りにはしないが、間接照明などをつかって落ち着いた空間にしたい。スタッフ含め導線を上手く整えたい

★京都市下京区 Kelly Clinicの施工事例を見る

 

木とグレイッシュな雰囲気で、暗すぎず明るすぎない、カフェのような落ち着いた診療空間を

★大阪府高槻市 しげとオリーブ歯科の施工事例を見る

 

≪<まとめ>診察室のレイアウトは効率的なクリニック運営に必要不可欠≫

クリニックの内装工事を依頼する前に、診察室のレイアウトや内装デザインの基本的な考え方を知っておくことが大切です。診察室は、さまざまな悩みや不安を抱える患者様が訪れる場所です。来院した患者様が心理的な安心感を得られるよう、プライバシーの確保や、明るく清潔感のある空間演出などのポイントを意識しましょう。

また効率的なクリニック運営を実現する上で、医師やスタッフにとっての働きやすさも重要です。内装工事に当たって、待合室やその他の部屋との動線や、什器・備品の配置を工夫し、院内を無駄なく行き来できるようなレイアウトにしましょう。明らかな施工不良や不具合などがない限り、内装工事は簡単にやり直しができません。施工会社の担当者としっかりコミュニケーションを取りながら、レイアウトや内装デザインを決めていくことが大切です。

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