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患者目線で考える消化器内科の内装デザインのコツ|テナント工房メディカル

Category:お役立ち情報

令和5年における一般病院のうち、消化器内科は半数以上を占めています。[注1]

多くの消化器内科の中から患者さんに選ばれるクリニックになるためには、患者さん目線の内装にこだわり、他院との差別化を図ることが大切です。

そこで今回は、消化器内科クリニックの内装デザインが重視される理由や、内装デザインのポイント、快適性と機能性を両立するデザイン設計のコツをまとめました。これから消化器内科クリニックを開業する方はぜひ参考にしてください。

 

≪患者目線での消化器内科のクリニック内装デザインが大切な理由≫

消化器内科クリニックにとって、患者目線での内装デザインが大切といわれる理由は大きく分けて3つあります。

まず1つ目は、患者さんの不安や緊張を和らげることです。消化器内科クリニックを訪れる患者さんのほとんどは、胃腸などに何らかの不調や違和感を覚えて来院しており、少なからず検査結果や治療への不安を抱えています。そのような患者さんの気持ちを考慮し、なるべくリラックスできる内装デザインを採用すれば、「居心地が良い」「またここに通いたい」という気持ちが高まり、効率の良い集客につながります。

2つ目は院内に滞在している間のストレス緩和です。消化器内科に限った話ではありませんが、病院は待ち時間が長いケースが多く、ストレスが蓄積されやすい場所とされています。そこで、待ち時間を快適に過ごせる工夫を採用したり、来院から会計までの流れをスムーズにする動線を採り入れたりすれば、待ち時間のストレスが解消され、患者満足度の向上を見込めます。

3つ目は安全性への配慮です。消化器系の症状の中には感染症によるものも多く、二次感染が起こる可能性もゼロではありません。そのため、常に清潔な環境を保っておく必要があります。汚れが目立つクリニックは不快感や抵抗感を覚える原因にもなるため、患者さんが安心・快適に使える清潔な内装を意識しましょう。

 

≪消化器内科クリニックの内装デザインのポイント≫

患者さんに選んでもらえる消化器内科クリニックを目指すために押さえておきたい内装デザインのポイントを5つご紹介します。

 

患者の安心感を生む色使いの工夫

壁や床、天井、家具などの色合いは、クリニックの印象を左右する大きな要素の一つです。色が人に与える影響はさまざまですが、消化器内科クリニックでは患者さんに安心感や心地良さを感じてもらうことを重視するため、落ち着きや癒やしをもたらす配色にしましょう。

例えば、落ち着きのある雰囲気を演出したいのならブラウン系、癒やしやリラックス効果を高めたいのならグリーン系、清潔感を強調したいのならホワイトやブルー系を選ぶなど。原色系はインパクトが強過ぎて、かえって落ち着かない雰囲気になる可能性があるので避けた方が無難です。

他院との差別化を図るためにオリジナリティを出したい場合は、壁材の一部にだけ差し色を使うなどのアレンジを加えてもよいでしょう。ただし、一つの空間にあまり多くの色を使うと、ちぐはぐな印象を与える原因となります。一般的に、内装の配色は基礎となるベースカラー、デザインの印象を決定づけるメインカラー、差し色に当たるアクセントカラーの3つで構成されるため、配色は多くても3つまでに留めるようにしましょう。

 

清潔感を保つための素材選び

消化器内科クリニックの床材や壁材、家具を選ぶときは、抗菌性や防汚性の高い素材を選ぶのがポイントです。

汚れや染みなどが付着しにくい素材を選べば、衛生的な状態を保ちやすくなるのはもちろん、掃除やお手入れの手間も省けます。防汚性に優れた素材は複数ありますが、例えば壁剤ならビニールクロス、床材はリノリウムなどを選ぶのが一般的でしょう。

また、トイレや手洗い場などの水回りは防汚性だけでなく、耐水性や防水性の高いセラミックタイルなどを使用するのがおすすめです。一方、待合室に設置するイスやソファに関しては、定期的にアルコールスプレーで除菌できるよう、傷みにくい素材の張地やフレームを採用しているものを選ぶのがポイントです。

 

 

 

感染症対策とデザインの両立

消化器内科クリニックでは、二次感染を防ぐための感染症対策が欠かせませんが、機能性ばかり重視すると院内が殺風景な印象になる恐れがあります。快適かつ安全なクリニックに仕上げるためにも、感染症対策に配慮しつつ、おしゃれなデザインにすることも忘れないようにしましょう。

例えば、丸みを帯びた受付カウンターは優しげな雰囲気を醸し出すと同時に、角に汚れや雑菌がたまりにくいという一石二鳥の効果を期待できます。また、衛生面では木材よりもビニールクロスやリノリウムの壁材・床材がおすすめですが、抗菌・抗ウイルス加工を施した天然木のフローリングや壁材なら、感染症対策とデザイン性を両立できるでしょう。

一方、待合室ではソファやイス同士の間隔にゆとりを持たせるのも有効な手段の一つです。隙間を埋めるようにびっしりソファやイスを配置すると、圧迫感があって窮屈な印象を与えますし、患者さん同士の距離が近くなって感染症のリスクが高まるリスクもあります。そのため、待合室はなるべく空間にゆとりを持たせるようにし、清潔で快適な空間づくりを心掛けましょう。

 

待ち時間を快適にするための演出

待ち時間のストレスを緩和するための工夫には、以下のようなものがあります。

● 座り心地の良いソファ・イスを設置する
● ソファやイスは患者さん同士の目線が合わない配置にする
● テレビや本棚を設置する
● ウォーターサーバーやドリンクバーを設置する
● 暖かみのある照明を取り付ける
● 観葉植物やアートを飾る
● キッズスペースを設ける
● リラックスできるBGMを流す

前述したように、ソファやイスの配置はなるべくゆとりを持たせるのが理想ですが、スペースの関係で難しい場合はイスの背もたれ同士を合わせるなどの工夫を採り入れてみましょう。

予算やスペースにゆとりがあるのなら、待ち時間中に自由に利用できるウォーターサーバーやドリンクバーを設置するのもおすすめです。子ども連れの方の来院も想定しているのなら、待合室の一画にキッズスペースを設けることも検討しましょう。

ただし、待合室とキッズスペースの境界を曖昧にすると、子どもがスペースから飛び出してしまう可能性があるため、柔らかいブロッククッションなどで囲いをするなど、明確な境界線を作ることが大切です。

 

プライバシーを考慮した空間設計

体の不調や病気は非常にデリケートな問題であるため、患者さんが安心して通えるよう、プライバシーに配慮した空間設計を行う必要があります。

具体的には、待合室でなるべく患者さん同士が顔を合わせないレイアウトにする、診察室や処置室はなるべく個室にし、壁に遮音材や防音材を使用するなど。スペースの問題で全室個室にするのが難しい場合は、パーティションを利用して目隠しするなどの対策を講じるという手もあります。

また、患者さん同士がなるべくすれ違わないよう、動線にも工夫を採り入れるのが理想です。

 

≪快適さと機能性を両立するデザイン設計のポイント≫

消化器内科クリニックの快適性と機能性を両立するには、動線設計や診察室のレイアウト、照明の選び方、バリアフリー対策などにこだわる必要があります。

ここでは快適さと機能性を併せ持った消化器内科クリニックのデザイン設計のポイントを4つに分けて説明します。

 

 

 

効率的な動線の設計

患者さんにストレスや不便を感じさせないようにするには、来院から会計までの動線をなるべくスムーズに設計することが大切です。

基本的には、来院→受付→待合室→診察室→処置室→待合室→会計の流れに沿って、それぞれの場所間の距離を短く設計するのが理想です。ただし、院内はスタッフも動き回るため、患者動線だけでなくスタッフ動線も考慮する必要があります。

患者さんとスタッフの動線が頻繁に交差するような設計にすると、患者さんがストレスを感じやすくなりがちです。また、スタッフの業務効率が低下するリスクもあるため、患者さんとスタッフそれぞれの動きをトレースし、できるだけ交差しない動線を考えましょう。

 

診療室のレイアウトと機能性

診察室は患者さんの不安や緊張を取り除くデザインを採用するとともに、スムーズかつ正確な診察を行える機能性を併せ持ったレイアウトにする必要があります。

特に診察室は処置室と並んでプライバシー保護が重視される場所であるため、外から中の様子が見えず、声や音が外部に漏れない設計を意識しましょう。また、消化器内科では診察デスクやイス、診察ベッドの他に検査機器などを常備しておくケースもあります。必要なときにすぐ機器を出して使えるよう、どこに何を設置するか慎重にシミュレーションすることをおすすめします。

診察に使う備品も、頻繁に使うものは近場に収納しておくと良いでしょう。診察室は必要なものだけを無駄なく配置し、なるべくシンプルに設計するのが基本ですが、患者さんの家族が同伴するケースも多いため、付き添いの方用のイスや荷物置き場などを設置することを検討してもよいかもしれません。

 

照明の選び方で雰囲気を演出

照明にはさまざまな種類があり、選び方によって部屋の雰囲気ががらりと変化します。そのため、場所ごとのニーズに合わせて適切な照明を選択するのが基本となります。

例えば待合室は患者さんがなるべくリラックスして過ごせるよう、ぬくもり感のある暖色系の照明を採り入れたり、落ち着いた雰囲気を醸し出せるダウンライトや間接照明を設置したりするのがおすすめです。間接照明は待合室に設置したテレビやオブジェ、観葉植物などの背面に設置すると、より雰囲気の良い空間を演出できるでしょう。

一方、診察室の照明は実用性が重視されるため、視認性の高い照明を選択するのがポイントです。特に影ができると診察に支障を来す原因になる恐れがあるため、複数の照明を用いてさまざまな角度から光を当てるなどの工夫を採り入れてもよいでしょう。色味は正確な診断ができるよう、明るい白色光の照明が適しているといわれています。

 

バリアフリー対策を行う

高齢の方や、足腰が不自由な方でも問題なく利用できるよう、院内はバリアフリーを徹底しましょう。

具体的な例として、玄関にスロープを設ける、通路や階段、トイレに手すりを設置する、通路幅を広く取るなど。トイレに関しては車いすのままでも利用できるよう、引き戸にしたり、内部のスペースを広めに取ったりすることも検討した方が良いでしょう。また、室内には緊急ボタンを取り付け、万が一の場合に備えておくと患者さんも安心して利用できます。

一方、受付カウンターは車いすの方の目線に合わせ、やや低めに設計するのがおすすめです。診察室や処置室も車いすが通ったり、回転したりするのに十分なスペースを確保しておく必要があります。

 

≪まとめ:消化器内科の内装デザインは細部にまでこだわろう≫

消化器内科クリニックの内装デザインを決めるときは、患者さんの目線から設計・レイアウトするのが基本です。自分が患者さんとして来院したときに、どのような内装なら心地良く過ごせるか、どういうレイアウトならストレスを感じないか、などを想像しながらデザインすることを心掛けましょう。

「患者動線とスタッフ動線を上手に分けられない」「安全性に問題がないかどうかプロの目線でチェックしてもらいたい」といった悩みや要望がある場合は、クリニックの内装工事に詳しい業者に相談し、アドバイスをもらいながら計画を進めることをおすすめします。

 

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