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医院継承にかかる費用の相場は?新規開業との違いを比較

Category:お役立ち情報

新しくクリニックを開業する際、医院継承して開業するか、新規開業するかは悩むポイントです。医院継承の場合、すでに開業している医院を引き継ぐので、土地や物件を探す必要がありません。

では、実際に医院継承には、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。この記事では、医院継承にかかる費用の相場と、新規開業との違いについて解説していきます。これからクリニックの開業を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

医療継承にかかる費用の相場

医療継承にかかる費用は、使っている医療機器や以前の医院の利益によって変化します。また、親子間での継承か、第三者に継承するのかによっても変わるため、相場の範囲は広くなります。

すべての条件を踏まえて、医療継承にかかる費用の相場は3,000万円程度です。売却価格の計算方法も複数あるため、あくまでも目安として考えてください。

では、医療継承にかかる費用の詳細は何なのか、具体的にお話ししていきます。

開業費用

医療継承には、親子や親族間で継承するパターンと、第三者から継承するパターンがあります。

前者の場合、生前に継承するときと、相続として継承するときによって費用が変化します。生前に継承する場合は、贈与となることが多いです。

後者の場合は、医院の価値によって金額が変わり、1,000万円~4,000万円程度の金額を支払います。費用の算出には専門的な知識が必要になるため、専門のコンサルタントに依頼すると確実ですが、報酬の支払いが追加で発生するでしょう。

内装費用

継承した医院を何も変えずに利用する場合、リフォーム代や解体費用はかかりません。しかし、医院の内装を変更したい場合には、内装のリフォームが必要です。

内装のリフォーム費用は、リフォームする広さや内容によって金額が変わります。壁紙の張り替えだけであれば金額は抑えられますが、壁を抜いたりレイアウトを変えたりする場合は、多額の費用が発生するでしょう。

医療機器の費用

以前の医院で利用していた医療機器を変更する場合には、購入費用や処分費用が発生します。

医療機器の金額は、機器の種類によってさまざまですが、高額なものだと1,000万円以上するものもあります。とても大きな買い物になるので、既存の機器で対応できないか、慎重に検討することが大切です。

また、医療機器の処分にも費用が発生します。家電や家具を処分する際に、粗大ゴミの回収費用がかかるのと同じく、医療機器の処分には相応の費用がかかります。専門の業者に依頼しないと処分できない可能性があるため、注意してください。

以前の医院から医療機器を引き継げるのが医療継承の大きなメリットなので、過剰に新しい機器を購入しないよう、慎重に考えましょう。

広告費用

医療継承の場合、以前の医院の認知度やブランドも引き継がれるため、新規開業に比べると広告費用はかかりません。しかし、医院の名前や診察時間、休診日が変わる場合は、広告物の作成が必要です。

たとえば、以前の看板の撤去、新しい看板の作成、チラシやポスターの作成、SNSでの発信などの作業があります。これらすべてを行うとなると、50万円ほどの費用が発生するでしょう。

看板やポスターなどは、まだ医院を知らない人にとって第一印象となるため、費用を気にして安易なものを作るのは避けたいものです。デザイン費や印刷費もかかりますが、必要経費だと考え、納得いくものを作成しましょう。

採用コスト

医療継承の場合、スタッフを引き継ぐことが多いです。そのため、採用にかかるコストは0円になります。

新規開業の場合、スタッフがいないので、採用のための広告費や人件費などがかかります。そのため、医療継承でスタッフを引き継ぐことは、かなりのコストカットになるでしょう。

しかし、業態や診療科目を変える場合、以前のスタッフだけで運営できない可能性があります。その場合、多少は採用コストがかかります。

のれん代

のれん代とは、譲渡される医院の純資産と買取価格の差額を指します。のれんはその医院の価値を表しており、無形資産といえるでしょう。

医療継承において、のれん代はおおよそ1,000万円ほどかかるのが一般的です。のれん代は目に見えない価値をお金にするので、さまざまな知識や経験をもとに算出されます。のれん代の算出に不安がある方は、専門のコンサルタントに相談するといいでしょう。

医院継承するメリット・デメリット

医療継承と新規開業には、それぞれのメリットとデメリットがあります。内容をしっかり理解して、自分に適した方法を選択することが必要です。

ここからは、医療継承するメリットとデメリットを項目別に解説します。自分の開きたい医院のコンセプトを考慮して、どちらが適しているか検討してください。

メリット

まずは、医療継承のメリットについてお話しします。開業する際に、新規開業と医療継承のどちらにするか悩んでいる方にとって、よい判断材料となるでしょう。ぜひ参考にしてください。

今までの実績を元に事業計画を立てられる

開業する際には、初めに事業計画を立てます。診療科目、ターゲットの患者層、診療時間、資金計画など、考える要素が多いです。

医療継承の場合、以前の医院の経験や実績をもとに事業計画を立てられるので、具体的な内容を設定しやすいです。その地域の特徴などは、実際に運営してからわかるものなので、経験者から話を聞けると計画を立てやすいでしょう。

初期費用を抑えられる

新規開業は、初期費用が高額になる場合が多いです。すべていちから準備するため、費用がかさむのは仕方ありません。

具体的には、土地代、建物代、内装設備費、医療機器代、医師会入会金、広告宣伝費などがあります。これらの費用に加え、手続きをすべて専門のコンサルタントに依頼すると、さらに費用がかかります。

医療継承の場合は、土地代、建物代、採用費などがかからない場合が多いです。そのため、大幅に初期費用がカットできます。

新規開業と医療継承では、4,000万円ほど初期費用に差がでます。できるだけコストを抑えて開業したい方には、医療継承がおすすめです。

また、医療機器に関しても、すべて以前のものを使う場合は、購入費用がかかりません。購入するとしても一部だけなので、大きな負担にはならないでしょう。

スタッフを引き継げる

医療継承の場合、双方の合意があればスタッフを引き継ぐことができます。仕事に慣れているスタッフがそのまま働いてくれるので、作業効率があがるでしょう。

新規開業の場合、スタッフをいちから採用しなければいけません。すると、採用のための広告費がかかるうえに、スタッフが決まるまで開業できないというリスクがあります。スタッフが引き継いでくれると、スムーズに開業できるでしょう。

初めから一定の収入が見込める

新規開業は、新しい土地で医療事業を始めるので、開業したら広告やPRに力をいれることが必要です。まずは地域の人たちに医院の存在を知ってもらわなければいけないので、ポスターを貼ったりチラシを配ったりして、告知しなければいけません。

一方、医療継承の場合、以前の医院のブランド力があるため、ほとんどPRせずに始められます。患者の情報も引き継ぐ場合が多いので、患者さんが来なくて困ることはないでしょう。

デメリット

では、医療継承のデメリットも紹介します。新規開業と比べてどのようなデメリットがあるのでしょうか。

デメリットを事前に知っていると、万が一のトラブルに備えられます。紹介するデメリットを理解したうえで、医療継承をするかどうか判断してください。

適した物件を見つけるまで時間がかかる場合がある

親族から継承する場合、既存の医院を引き継ぐため、自分の好きな物件を選ぶのは困難です。継承後に内装のリフォームはできますが、あくまでもリフォームなので、理想に近い物件にすることしかできません。

また、身内から譲り受けるわけではない場合は、継承物件自体の数が少ないので、数少ないなかから物件の選定をします。そのため、自分好みの物件を見つけるまでに、時間がかかってしまう可能性があります。

物件を探しても、完全に自分が納得いく物件が見つかるとは限りません。多少は妥協しなくてはいけない部分も出てくるでしょう。

出費がかさむ場合がある

医院の老朽化によってリフォームが必要となり、出費がかさむ可能性があります。その場合は、以前の経営者に対して払う対価を少なくできないか、交渉するといいでしょう。

また、以前の院長に対する対価が高額になる場合もあります。対価に関しては無形資産なので、交渉次第で増減します。お互いが納得いく金額で契約しましょう。

前院長の方針や考えが合わない場合がある

医院継承は、以前の医院の方針や運営の仕方を引き継ぐことが多く、開業後も一定の間、前院長から引き継ぎ作業をします。

自分の理想と前院長の方針や考えが合わないと、納得いかないまま経営することになります。しかし、患者も以前の医院から利用しているので、まったく違うやり方で経営すると、患者からいい印象を抱いてもらいにくいでしょう。

そのため、自分のやり方を自由に実現したい場合は、新規開業が望ましいといえます。

医院継承の流れ

医療継承をする際には、いくつかの手続きと準備が必要です。事前に知っておくと、実際に医療継承をするときにスムーズに進められます。

そこでここからは、医療継承の流れをご紹介します。具体的な内容は、地域や医療機関によって変わるので、専門家のアドバイスを受けましょう。

STEP1.仲介業者の選定

自分の理想に合った物件が見つかったときにすぐ動けるように、事前に仲介業者を選定しておきましょう。医療継承の物件は数が少ないので、競争率が高いからです。

仲介業者が決まったら、仲介契約書を結びます。仲介契約書には、報酬体系や業務手数料などが書かれているので、細かく確認しましょう。

STEP2.候補となる医院の選定

仲介業者が決まったら、自分の希望条件を伝えて医院を探してもらいます。まずは、個人の名前は伏せた状態で交渉し、さらに詳しい情報が知りたい場合は、名前を伝えて教えてもらう流れです。

候補となる医院は、複数同時に紹介してもらえるので、できるだけ多くの医院を見てみるといいでしょう。

STEP3.医院長と面談

内見したい医院が決まったら、院長と面談します。院長との面談では、経営方針や医院に対する思いなどを聞けるので、自分の考えと共通点があるか確認しましょう。

また、以前の医院がどれくらい利益を出していたかも聞くことが可能です。それによって今後の経営の仕方も変わってくるため、重要なポイントです。

医療継承をしてから損をすることのないように、面談では聞ける限り、多くの情報を聞きましょう。

STEP4.基本合意書の締結

継承先の医院の目途がついて、お互いの合意のもと継承が決まったら、基本合意書を締結します。基本合意書の締結前に、細かい条件の調整をしましょう。

細かい条件の調整とは、たとえば老朽化が進んでいる場合、譲渡対価を減らしてもらったり、継承の時期を変更したりします。お互いが納得した状態で、合意書を締結するのが大切です。

STEP5.デューデリジェンスの実施

基本合意書を締結したら、デューデリジェンスを実施します。デューデリジェンスとは、継承先の医院にリスクがないか、買取監査することです。

事前に提示された数値に間違いがないか、建物自体にリスクがないかなどを調べます。それにより、正当なかたちで医療継承されます。

しかし、小さい医院の場合デューデリジェンスを行わないケースもあるので、その際は確認作業を徹底するようにしましょう。

STEP6.譲渡契約の締結&承継実行

デューデリジェンスの結果、医院に問題がなければ、最終譲渡契約を結びます。デューデリジェンスの際に何か問題が発生したら、継承条件を再度見直してください。

最終譲渡契約を結んだら、継承の実行です。前院長に対価を支払います。

STEP7.保健所や税務署などの手続き

継承が実行されたら、はじめに診療所開設届を保健所に提出します。保険診療を行う場合は指定の届出があるので、調べて提出しましょう。

また、医療継承には、法的な手続きが必要です。早めに手続きを進めることで、スムーズに医院を移行できます。

代表的な手続きは、登記簿の変更です。医療機関や事業の所有権を正式に継承するには、登記簿の変更手続きが必要です。

新しい経営者に所有権があると確認するために、所有権の変更手続きを行います。変更手続きが受理されるまでに時間がかかる場合があるので、事前に手続きをすることで、開業したいタイミングに合わせて取得できるでしょう。

医院継承でトラブルを防ぐ方法

医療継承は、もともと診療をしていた医院を引き継ぐので、以前の経営者や院長とよく話し合ったうえで継承しないと、トラブルを招きます。

せっかく開業したにも関わらず、トラブルで運営できなくなる事態は避けたいものです。ここからは、医療継承でトラブルを防ぐ方法をご紹介します。

方針の違いに気を付ける

前院長との方針の違いがあると、経営していくうちにやりにくくなります。そのため、継承先を決める前の段階で、院長の方針を聞くようにしましょう。

また、自分自身がどのような方針で経営したいか、明確にしておくことも必要です。自分の理想と前院長の考えをすり合わせ、納得いくかたちで継承しましょう。

老朽化に気を付ける

医療継承でトラブルになりやすいのが、老朽化問題です。建物の老朽化を前院長から伝えられておらず、開業後にリフォームをしなくてはならない事態が発生します。

このようなトラブルが発生しないために、デューデリジェンスを行うことが大切です。専門家に調査してもらい、あとから追加費用がかからないように対策しましょう。

スタッフや患者離れに気を付ける

医療継承の際には、事前に患者やスタッフへ情報提供するのが重要です。患者は医療機関に対して信頼を寄せており、医療継承による変更や移行についての情報を受ける権利があります。情報提供を通じて、患者の不安や疑問を解消し、信頼関係を維持することが重要です。

また、スタッフに対しても適切な情報提供が不可欠です。スタッフとの集会や個別の面談を通じて、継承の詳細や影響を共有しましょう。

スタッフの疑問や不安に応えるだけでなく、継承後のビジョンや目標、組織の方針などを明確に伝えることで、スタッフの理解と協力を得られます。

数多くの手続きが必要な点に気を付ける

医療継承には、多くの手続きが発生する点に注意してください。たとえば、医療機関を経営する際には、さまざまな税金がかかります。加えて、医療継承は相続にあたるので、相続税も発生します。

また、登記簿の変更などの法的な手続きがあり、時間がかかるものが多いです。手続きが抜けていると、開業予定日に開業できない可能性もあるので注意しましょう。

法的な手続きや税務上の手続きがあり、専門的な内容なので、ひとりで対応するのは非常にむずかしいです。そのため、専門家に相談してサポートしてもらうといいでしょう。

まとめ

医療継承と新規開業には、どちらもメリット・デメリットがあります。どんな医院にしたいのか、理想を明確にして、自分に合った方法を選びましょう。

医院を開業する際には、さまざまな手続きがあります。複雑な内容が多いので、専門家に相談するのも有効な手段です。

また、医院継承と新規開業のどちらも、自分が納得いく医院である必要があります。自分の理想を反映させた医院開業には、外装や内装にこだわることも重要でしょう。好みの内装にリフォームを検討する場合は、テナント工房メディカルに相談してください。

テナント工房メディカルでは、クリニックのトータルサポートをしています。内装を変えることで、クリニック全体の印象が変わるので、とても大切なポイントです。内装についての相談は、テナント工房メディカルがいつでも受け付けています。


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