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クリニックを改装する場合の注意点は?日数や費用の目安も紹介

Category:お役立ち情報

高齢化によって医療需要がより高まるといわれている一方で、クリニックの供給過多に埋もれないために、他院との差別化を試みるクリニックも増加しているようです。とくに集患や増患はクリニックの経営にも直結します。

より患者に選んでもらいやすいクリニックを目指して、改装を計画するケースも増えています。しかし改装は費用もかかるうえ、患者の診療やクリニックの開院自体にも影響を与えます。

改装の内容によっては施工にかかる期間も長くなるため、本当に効果の見込める改装は何かを考えながら実施するべきでしょう。

本記事ではクリニックを改装する場合に気をつけるべきポイントや費用の目安、かかる日数などを詳しく解説します。

クリニックを改装する場合の注意点

クリニックを改装する場合の注意点には次のものがあります。

患者とスタッフ両方の目線で改装する

クリニックの改装では、医師や看護師の利便性や医療機関の機能を考えなければならない一方で、患者にとっても利用しやすいものでなければなりません。クリニックに求めるものは患者とスタッフでそれぞれ異なるため、双方にとって使いやすさを向上させる必要があります。

たとえば患者は明るさや清潔感のほか、トイレの使いやすさやプライバシーの確保といった居心地に関することを望むでしょう。一方でスタッフは、動線の確保や収納の使いやすさといった診療に関わることを求めます。

そのため、それぞれが必要とする要素や、バッティングした際は何を優先すべきなのかをしっかりと考慮し、片方だけの満足度に偏らない改装を行いましょう。

清潔感のある空間を維持する

クリニックの雰囲気は患者の心理に大きく影響します。クリニックに来院する患者は心や身体の不調だけでなく、強いストレスを抱えている場合もあります。

患者の心身の苦痛を和らげて安心できるよう、照明は明るく清潔感の保たれた空間にするのを意識しましょう。とくにクリニックは下足のまま患者が出入りします。

ケアを怠ると内装がすぐに汚れてしまうため、汚れがつきにくく経年劣化しにくい素材を選ぶとよいでしょう。また、ケアのしやすさも重視したいポイントです。

衛生的な空間を維持する

クリニックでは印象面での清潔感も重要ですが、衛生管理の行き届いた空間を維持しなければなりません。クリニックは体調の悪い人が集まる場所でもあるため、内装の面からも、院内の感染対策には十分に気をつける必要があります。

具体的には換気設備による適切な空気の循環をつくるほか、抗菌加工された内装の採用などを検討します。衛生管理のレベルを高く保つためにも、部分だけではなく全体を見渡しながらクリニックの改装を考えるとよいでしょう。

部屋ごとに重視すべき点が異なる

クリニックには目的や機能の異なるさまざまな部屋が設けられていますが、改装工事の際にそれぞれの部屋で重視すべき点は異なります。

たとえば待合室は患者が長時間待つ場合もあるため、明るく清潔感があり、リラックスして待てる空間を意識します。同時にクリニックの顔となる空間でもあるので、適度なデザイン性も必要です。

また、トイレは体が不自由な患者が利用する場合もあります。そのため、引戸タイプで車椅子でも入れるスペースを確保するといった利用者の利便性を最優先に考えたものにするべきです。

そして、診察室ではプライバシーの保護が優先されるので、隣室へ音漏れしないように間仕切りや防音扉が必要となり、場合によっては間取りの変更も求められます。

このようにそれぞれの部屋で必要とされる機能は大きく異なるため、取り入れるべき要素をしっかりと把握し、改装内容に反映させましょう。

クリニックの診療科目ごとの改装ポイント

クリニックを改装する場合は、診療科目に応じた改装のポイントがあります。

内科

内科は診療科目が細分化されるため、クリニックを改装する場合はそれぞれで必要とされる機能や機器を設計に組み込むのが前提です。

加えて、内科として必要とされる共通の機能も組み込まなければなりません。たとえば待合室は十分なスペースを確保しておくことで、患者の待ち時間のストレスを軽減できます。

また、動線をしっかりと確保して円滑な人の流れをつくるのも大切です。受付から待合室、診察室までの動きが妨げられない配置にし、診察後はそのまま検査室へ移動できるようになっているとスムーズです。

診察後や検査後は、待合室へすぐに戻って来られる経路を確保しておくとよいでしょう。

外科

外科の場合、車椅子や松葉杖の患者が数多く訪れます。クリニックでは、段差がなく手すりやスロープが設置されているバリアフリー対応は前提です。

ソファーや椅子は、足腰の不自由な人にも対応できるよう高さをいくつか変えておくとよいでしょう。

また、外科的な手術を行うことも考えて、処置室は広いスペースを確保しておくと安心です。改装を機に電源の位置をより適した位置へ変更するのもよいアイデアです。

小児科

小さな子どもが診察までの時間を待てるよう、遊べるスペースを確保しておくとよいでしょう。小児科は赤ちゃんも訪れるため、ベビーカーを置ける場所の確保も必要です。

また、保護者も一緒に来院するので、待合室は広めにとっておくと安心です。

歯科

歯科は痛みのイメージと結びついている人が多いため、清潔感やデザイン性によってストレスを軽減させると集患に効果的です。待合室は照明を明るくし、清潔な印象を与えるデザインを取り入れるとよいでしょう。

とくに審美系の歯科においてはイメージが集客に直結するため、診察室の内装にもこだわる必要があります。また、使用する器具が多いので、診察室を広めに拡張するのもよい選択です。

クリニックの改装日数の目安

クリニックを改装する場合は、改装する箇所によってかかる日数が異なります。待合室や受付などを改装する場合は、1週間程度の工期をみておくとよいでしょう。

クリニックの広さにもよりますが、全面的な改装を行う場合は2か月以上を要するケースも少なくありません。

いずれにしても、改装中は来院が必要な患者へ大きな負担を強いることになります。そのため、部分的に改装を進めるといった方法で、クリニックの診療に与える影響を最小限に抑えることが重要です。

また、改装の内容によっては、クリニックを完全に休業しなければならない場合もあります。休業期間は患者の次の診療にも関わってくるため、実施する内容を施工業者としっかりと話し合い、工事期間を正確に把握しておかなければなりません。

工事期間を事前に周知しておけば、患者の不安感を取り除けるでしょう。

クリニックの改装費用の目安

クリニックの改装費用は診療科目によって異なります。内科や小児科は坪単価35万円程度からといわれており、平均的には坪単価40万円程度とみておけばよいでしょう。

一般的にクリニックの坪単価は、専門的な医療機器や設備の多い診療科目で高くなる傾向があります。そのため、外科や眼科は費用が高くなる傾向にあり、一方で専門機器が少ない心療内科などの坪単価は低くなっているのです。

そして、坪単価は全体の坪数によっても変動し、坪数が大きいほど平均的な坪単価よりも低くなります。

また、改装にあわせて医療機器やベッドを入れ替える場合があるでしょう。この場合は、上記の改装費用に加えてさらに費用が発生するため、総合的な改装費用を把握しておかなければなりません。

まとめ

クリニックの内装工事は他の業種よりも費用がかかるうえ、内装工事が来院者に与える影響を最小限に抑えなければなりません。

しかし、医療に対する需要が増加する一方で、クリニックは供給過多に陥るとの見込みがあるため、内装工事によってイメージアップするとともに、患者の立場から使いやすく通院しやすいクリニックを目指すことが大切です。

ただ、内装工事は決して安い費用で行えるものではないので、実施する工事が集患や増患につながる内容なのかを吟味し、費用対効果をしっかりと見据えたうえで施工に着手しましょう。


Point
歯科医院の内装で気を付けるべきポイント

歯科医院の内装では、また行きたくなる「居心地のよさ」が重要です。診療ブースを個室化したり、動線として患者様どうしがすれ違わないようにしたりと、プライバシー保護や感染症対策をきちんと行っていることも居心地の良さにつながります。

また、木目調の壁や観葉植物などの自然を感じさせる要素を取り入れることもあります。 ほかの診療科と比べて、歯科は患者様に恐怖心を抱かれてしまいやすい特徴があるため、患者様が少しでもリラックスしやすく、待ち時間を快適に過ごせる工夫として、温かみのあるデザインを取り入れるのもおすすめです。

歯科医院の内装イメージ3
歯科医院の内装イメージ1
歯科医院の内装イメージ2

Point
小児科の内装で気を付けるべきポイント

小児科の内装では、小さい子どもも安全に過ごせるように「安全面への配慮」が重要です。床や壁にやわらかくクッション性のある素材を使用し、柱や受付カウンターは曲線を描くような設計にして、椅子や収納棚などの家具は角のないものを選びましょう。どうしても角ができてしまう場合は、クッション材を設置して安全性を確保することもあります。

また、少しでも子どもの不安を和らげるために、親しみやすい雰囲気づくりも必要です。淡い色彩や、動物や植物をモチーフにしたイラストなどを取り入れて、緊張感を和らげる工夫をしましょう。

小児科の内装イメージ1
小児科の内装イメージ2
小児科の内装イメージ3

Point
美容外科の内装で気を付けるべきポイント

美容クリニックの内装では、「安心感と落ち着きのある空間」であることが重要です。来院される方の多くは、自身が変化することに期待を抱くとともに、不安も感じています。少しでも不安な気持ちを和らげるためには、安心感のある空間が求められるでしょう。また、施術が長くなることも多いため、患者が長時間滞在できる環境を目指して、落ち着きのある内装を意識することが大切です。

また、施術後に化粧直しをすることも考えられます。美意識の高い方が利用されると想定し、充実したパウダールームを完備しましょう。施術前後に使用することが多いので、患者のひと息つける場としても有効です。清潔感や使いやすさを重視した内装は、患者の満足度向上にも繋がります。

美容外科の内装イメージ1
美容外科の内装イメージ2
美容外科の内装イメージ3

Point
整骨院の内装で気を付けるべきポイント

整骨院の内装では、体の不調を治しにくる場所であるため「リラックスできる空間」であることが重要です。安心できる空間を作るためには、お客様のターゲット層を決めましょう。ターゲットの年代によっても、落ち着きを感じる色味やデザインが異なります。

病院のような白い壁紙に明るい照明という空間は、堅苦しさを感じさせることもあるので、気をつけましょう。整骨院では清潔感がありリラックス効果もあるブルーの内装がよく使われます。

整骨院の内装イメージ1
整骨院の内装イメージ2
整骨院の内装イメージ3

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鍼灸院の内装で気を付けるべきポイント

鍼灸院の内装では、お客様がリラックスできる空間である必要があるため、「開放感のあるレイアウト」が重要です。ほかのお客様との距離が近いと、緊張感や不快感を与えやすいです。機材や家具などは威圧感を与えないよう背丈の低いものにしたり、ベッドとベッドの間は圧迫感を軽減してくれるカーテンで仕切るようにしたりするなど、開放感を感じさせるために工夫をしましょう。

また、鍼灸院は電気器具を多く使用するためコンセントの配置やカルテの収納場所などを含めたスタッフが働きやすい動線づくりも考える必要があります。

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鍼灸院の内装イメージ2
鍼灸院の内装イメージ3

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産婦人科の内装で気を付けるべきポイント

産婦人科の内装で気を付けるべきポイント 産婦人科の内装では、「リラックスできる空間づくり」が重要です。妊婦さんが安全に移動しやすいゆとりのある動線や清潔感のある待合室、温かみのあるデザインを取り入れたり、トイレやパウダールームを充実させるのもおすすめです。

また、女性のデリケートな面であることから、プライバシーに配慮した空間にすることも大切です。診療室や内診室での会話が漏れないようにしたり、診療内容によってはクリニック内でエリアを分けたり、入り口を別にしたりすることを考えることも必要となります。

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