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潰れるクリニックの特徴とは?潰れない医院にするにはどうすればよいのか

Category:お役立ち情報

「クリニック経営には何に気をつけたらいい?」
「潰れないクリニックにするためにはどうすればいい?」

このような疑問を持つ方が多くいるでしょう。

クリニックの経営には医療技術だけではなく、さまざまなことに目を向けなければいけません。ではどのようなことに気をつければよいのでしょうか。

この記事では、潰れるクリニックの特徴や潰れないクリニックにするためのポイントを解説します。クリニックの開業を検討している方や経営でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

医療機関の倒産動向

まずは、医療機関の倒産動向を見てみましょう。ここでは医療機関の倒産件数を、クリニックの種類とともに解説します。

医療機関の倒産件数

帝国データバンクによると、2021年の法的整理が必要になった医療機関(病院・診療所・歯科医院)の倒産は33件で、負債総額は94億300万円です。

そのうち、病院が1件、診療所が22件、歯科医院が10件です。なかでも診療所は、2009年の27件に次ぐ高い数字で、前年比1.8倍にのぼりました。診療所の倒産が増加している原因の背景には、経営者の高齢化や休業・廃業・解散件数の増加が潜んでいるとみられます。

また、新型コロナウイルスに関連した倒産は15件で、前年比4件の3倍超でした。これは感染リスク回避に伴う患者数の減少や感染者増加により、労働環境が悪化したことも原因の1つです。

コロナ対策の支援によって、黒字決算の事業者が多数存在していますが、いまだに断続的な給与のカットや従業員不足などの不安定な状況が続いています。

日本医師会の倒産対策

日本医師会では、医療機関の倒産対策として医療法人制度改革を行い、医療法人制度を見直し、医療法人に対する国民の信頼を確立することを目指しています。第一次医療法改正は昭和60年で、平成9年からは約5年毎に法改正が行われていますが、平成19年の法改正が最後です。

新型コロナウイルスに関連した倒産が増えているなか、日本医師会によるさらなる改革や法整備が必要とされています。

潰れるクリニックの特徴

潰れるクリニックには共通する特徴があります。その特徴を詳しく解説していきます。

立地や交通の便が悪い

医療機関は患者さんに来院してもらわなければいけません。そのため、開業前にエリアの選定を間違えてしまうと来院数が少なくなり、倒産の可能性が高くなってしまいます。とくに、クリニックを開業するエリアがコンセプトと合っていなければ、集患することが難しくなってしまうのです。

たとえば、高齢者をターゲットにしたクリニックを開業する場合、そのエリアが子育て世帯中心だと十分な集患ができません。また、コンセプトに合ったエリアを選んだとしても、強い競合が多い場所だと経営が難しくなります。

さらに、駅前で交通の便がよい立地だとしても、人目の付かないビルの2階以上だと、クリニックを見つけてもらえず、来院率が下がってしまいます。開業前に十分な診療圏や競合の医院数の調査ができていないことが、潰れるクリニックの特徴です。

宣伝力が弱い

診療圏の調査を万全に行ったとしても、開業したことを周りに知らせなければ来院数は増えません。どんなクリニックかを知ってもらわなければ、患者さんが来院することはないのです。

インターネット上にホームページがなく、誰がどんな治療をしているのかが分からなければ、クリニックは誰の目にもとまりません。一方、インターネット広告ばかりに力を入れていても、普段インターネットを見ない層には届かず来院率が下がります。

また、多くの患者さんは、かかりつけ医院を確保しているので、診察はその医療機関を利用します。スーパーや飲食店とは違い、その日の気分によって医療機関を変えることはしないので、新規開拓で集患をすることが難しいです。

医師の技術やコミュニケーション能力が高くても、宣伝力不足ではクリニックが潰れてしまうおそれがあります。

スタッフが定着しない

クリニック内で人間関係のトラブルがあると、人材が定着せず経営を続けていくことが難しくなります。コミュニケーション不足により、スタッフが定着しないことも潰れるクリニックの特徴です。

さらに、退職者が出て仕事が回らなくなると、ほかのスタッフに負担がかかり耐えられなくなってやめてしまいます。そのような悪い循環が、人材不足に悩まされる理由です。

また、人材不足により休暇が取れないというのも、スタッフが定着しない理由のひとつです。クリニックの質をあげるためには、適度な休暇とリフレッシュが必要です。

クリニックは開業医だけでは経営できません。受付スタッフや看護師を雇用する必要があるため、スタッフの育成や雇用は非常に重要です。スタッフとのコミュニケーションを怠るクリニックは、潰れる可能性が高いといえます。

資金繰りが上手くいっていない

開業医は、経営の経験や知識がない場合がほとんどです。勤務医として仕事をしてきたので、経験がないのは当たり前です。

そのような開業医が、資金繰りに悩まされるケースが多くみられます。たとえば、開業時に受ける融資額が多すぎて返済に困ったり、医療機器や設備に自己資金を投入しすぎて現金が足りなくなったりすることも見受けられます。

医療の知識が豊富でも、数字を追いかけたり考えたりするのが苦手だという開業医が、このような事態に陥ってしまい、浪費を重ねたり高額な機材を計画なく導入してしまうことで、資金繰りが悪化するのです。

開業時に自己資金をしっかり準備していたにもかかわらず、いつの間にか経営に必要な資金が足りないこともあります。資金繰りが上手くいっていないクリニックは、潰れる可能性が高いです。

院長の高齢化で継承者がいない

クリニックは患者さんのためにも、事業を継承していくことが重要ですが、院長の高齢化により継承できず潰れることがあります。

厚生労働省の統計資料によると、令和2年12月31日時点で、日本での医師数は339,623名で、医療機関や施設の区別をなくすと、医師全体の平均年齢は50.5歳です。ここ数年、医師の平均年齢が50歳を超えており、医師全体の高齢化が進んでいることがわかります。

院長の子どもが継承して事業を続けるというケースが多いですが、なかには子どもがいなかったり、継がない選択をする子どももいたりします。自分が元気なうちは現役で続けられますが、高齢になり、引退が近づくにつれて継承に困る経営者が多いです。

たとえば、いつか継いでくれると思っていた後継ぎの専門分野が違ったり、子どもが勤務している病院を離れたくないという理由で継承しなかったりすることがあります。経営者が高齢になってからその事実が判明すると、継承者が見つからず、クリニックが潰れてしまう原因になります。

新型コロナウイルスの影響

ここ数年の新型コロナウイルスの影響でクリニックが潰れることもありました。なぜ新型コロナウイルスの影響でクリニックが潰れたのかというと、感染防止対策として患者さんが受診を控えることによる受診者の減少や、院内感染リスクを避けるためにクリニックが診療回数を減らしていることがあげられます。

さらに、テレワークが世間的に浸透したことや外出自粛により、気軽にクリニックに通えなくなったこともクリニックが潰れる原因です。

また、感染者が増加し、労働環境が悪化したことで、スタッフの退職につながるケースもあり、クリニックを開業する際には、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響に十分に注意し、対策を講じることが重要です。また、地域の医療ニーズを把握し、患者に必要な医療を提供することが大切だと言えます。

潰れないクリニックにするために

次に、潰れないクリニックにするために行うべきことを解説します。

事業計画をしっかり立てる

開業医としてクリニックを経営するためには、事業計画をしっかり立てることが重要です。自分自身がどのようなクリニックにしたいのか、どんな診療方針で運営していくのかを順序立てて考えましょう。

事業計画は、事業を運営する道筋を立てることはもちろん、融資を受けるためにも必要です。思い描く診療を行うためのクリニックの建設や、機材購入のためには融資を受ける必要があります。また、賃貸でテナントを借りる場合にも、内装工事費などの融資のために事業計画は必須です。

さらに、融資を受けたあとの返済計画を事業計画に盛り込むことで、安定した経営を目指せます。自身の資金や収益のバランスを考えて借り入れることが重要で、無駄な機材にはお金をかけないことにも心がけましょう。

また、細かい事業計画があると、計画達成の進捗を定期的にチェックできます。経営方針や診療方針を決めることで、ぶれない経営ができるので、しっかりした事業計画を立てることが重要です。

経営を安定させる

事業計画を作成し、クリニックを開業させたあとは、経営者としてリーダーシップを取ることが求められます。クリニックは、医療知識や患者さんのために従事することが大事ですが、潰れないための経営者としての視点を忘れてはいけません。

経営を安定させる基本的なことは、収益を増やして出費を減らすことです。収益を増やすには、受診数を増やすために効果的な広告を打ち出したり、医療の質を高めたりすることが必要です。

一方、出費を減らすためには、全体経費を必要な経費と無駄な経費で分けて、患者さんやスタッフの満足につながらない経費から削減しましょう。ゼロベースでコストを見直し、本当に必要な経費だけを残すことで、全体的なコストカットにつながります。

さらに、新型コロナウイルス対策として、密を避けるためのWEB予約やWEB問診を導入するクリニックも増えています。電話対応や問診時間を短縮することで生産性があがり、安定的な経営に近づけます。

広報活動に力を入れる

クリニックの安定的な経営を目指すのであれば、広報活動にも力を入れなければいけません。クリニックのホームページを作成して、SEOを強化することやインターネットを見ない層の為に、チラシを配る方法があります。

また、近年ではSNSでクリニックを調べる患者さんも増えており、そこで選ばれるための対策が必要です。エリア名や診療方針にハッシュタグをつけたり、患者さんに役立つ情報を投稿したりして、クリニックの注目を集めましょう。

また、インターネット上の口コミを見て来院する患者さんもいるため、会計の際に口コミのお願いをすることも効果的です。

スタッフの採用と育成にも力を入れる

質の高いスタッフに安定的に働いてもらうことも、潰れないクリニックには欠かせない要素です。

そのためには、スタッフに診療方針や院長の考えを理解してもらうことが必要です。同じ目標や考えを持たなければ、患者さんに対してよいサービスが提供できず、クリニックが潰れてしまいます。

また、スタッフを一人前に育てることで、院長の業務負担が減り、患者さんへのサービスに注力できます。院長だけでなく、スタッフの質向上も潰れないクリニックづくりにつながるのです。

さらに、福利厚生を充実させることで、クリニックで働いているスタッフにメリットを感じてもらう方法もあります。資格取得の支援やレジャーや趣味に関するサービスを割引で受けられると、スタッフに喜んでもらえます。

スタッフの採用では、クリニックの方針や求める人物像を具体的に示しておきましょう。そうすれば、採用時のミスマッチを防ぎ面接の質を高められ、短期間での退職者を減らせるので、安定的な経営ができます。

慢心しないようにする

クリニックを開業することが、開業医にとっての成功ではありません。開業したことを成功と勘違いして、周りへの感謝の気持を忘れると、失敗するきっかけになってしまいます。

クリニックを潰さずに続けていくためには、学び続ける姿勢が大事です。開業医の集いや研修会に参加するなど、日々のスキル向上に努めましょう。

親族や第三者に承継する

クリニックの経営が行き詰まったり、引退を考えたりしたときは、親族や第三者への承継を検討しましょう。

親子間での承継の場合、相続の問題が発生します。院長が他界したあとに、子どもがクリニックを承継する場合は、生前に院長が所有していた財産は相続財産になるので、税金対策を万全にしましょう。そうしなければ、相続税で経営が圧迫される可能性があるのです。

一方、クリニックを子どもに継承できない場合があります。その場合は、第三者医業継承を検討しましょう。

第三者医業継承とは、親族ではない第三者に医院の経営権とともに、建物や設備を譲渡することです。第三者医業継承のメリットは、患者さんを引き継ぐことができ、スタッフの雇用も確保できることです。

もし第三者医業継承を検討するのであれば、経営状況を把握している顧問弁護士やクリニック承継の仲介会社に相談してみましょう。

まとめ

クリニック経営には、さまざまな問題が発生します。患者さんのために一生懸命従事しているだけでは解決しないことが多いのです。

医療の質やサービスを向上させ、患者さんの満足度を上げるのはもちろんですが、患者さんやスタッフの負担にならない空間づくりも非常に重要です。また、感染症対策にも配慮した医院づくりを行うことで、患者さんに安心して来院してもらえます。

潰れないクリニックを作るために、それぞれの個性に合わせた空間づくりをテナント工房メディカルで実現してみてはいかがでしょうか。テナント工房メディカルでは、開業されるお施主様に寄り添ったサービスを提供しております。

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