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クリニック継承を成功させるには?メリットや注意点、手順を詳しく解説!|テナント工房メディカル

Category:お役立ち情報

クリニックの経営を次世代へと繋ぎたい院長先生や、リスクを抑えて自分らしい開業を目指す勤務医の方にとって、「クリニック継承」は心強い選択肢のひとつです。ただ、いざ検討を始めると、具体的な手順や費用の目安など、分からないことが次々と出てきて不安を感じることもあるかもしれません。

この記事では、継承のメリットや進め方の流れ、納得のいく判断をするためのポイントを分かりやすく整理しました。読み終える頃には、今すべきことがスッと明確になり、理想の承継に向けた第一歩を前向きに踏み出せるようになるはずです。

 

 

クリニックを継承するメリットとは?

クリニック継承の大きな魅力は、ゼロから準備する新規開業と比べて、経営が安定した状態でスタートを切れることにあります。長年大切に築いてきた地域医療の場を次へと繋ぐことができ、基盤があることで初日から診療に専念できる環境が手に入ります。

それでは、具体的にどのような4つのメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

メリットの項目

内容の詳細

期待できる効果

初期投資の抑制

内装や医療機器をそのまま引き継げる

開業資金を数千万円単位で削減できる

患者基盤の確保

既存のカルテや通院患者を承継する

初月から安定した診療報酬が見込める

即戦力スタッフ

業務に精通したスタッフが継続勤務する

採用コストの削減と教育の手間が省ける

経営の可視化

過去の財務データを確認できる

収支予測の精度が高まり融資を受けやすい

 

メリット1:初期費用を大幅に抑えられる

クリニックを継承することで、新規開業時に発生する莫大な内装工事費や医療機器の購入費を大幅に圧縮できます。居抜き物件としての価値だけでなく、現在稼働している設備をそのまま活用できるため、設備投資にかかる借入金を減らせます。

結果として、経営の初期段階で資金繰りに窮するリスクを低減し、より質の高い医療サービスの提供にリソースを割けるようになります。

 

メリット2:既存の患者数を維持できる

新規開業でもっとも困難なのは集患ですが、継承であれば前院長が長年診てきた患者様をそのまま引き継ぐことができます。初日から一定数の来院が見込めるため、地域での認知度をゼロから上げる必要がなく、経営を早期に軌道に乗せられます。

新規開業直後にありがちな「患者様が全く来ない」という精神的な不安を解消できる点は、非常に大きなアドバンテージとなります。

 

メリット3:熟練スタッフを継続雇用できる

メリット3:熟練スタッフを継続雇用できる

クリニックの運営を熟知している受付スタッフや看護師にそのまま残ってもらえることは、安定した経営を進めるうえでとても心強い要素です。新しい院長先生が診療スタイルに慣れるまでの間、これまでの流れを知るスタッフが現場を支えてくれるため、運営の混乱を最小限に抑えられます。

一から求人を出したり紹介会社へ手数料を支払ったりする手間もかからないため、採用コストの面でも大きなメリットになります。

 

メリット4:収益予測が立てやすくなる

これまでの確定申告書やレセプトデータを確認できるため、これからの収益を数字の裏付けを持って落ち着いて見通すことができます。新規開業のような「予測」ではなく、積み上げられた「実績」をもとに事業計画を立てられるため、金融機関からの信頼を得やすく、融資の審査もスムーズに進む傾向があります。

どの時期に患者さんが増え、どの程度の経費がかかるのかをあらかじめ把握できることは、経営者としての判断をより確かなものにしてくれるはずです。

 

クリニックを継承するデメリットとは?

メリットが多いクリニック継承ですが、一方で注意すべきリスクやデメリットも確実に存在します。これらを事前に把握し、対策を講じておくことが、後のトラブルを防ぐ重要なポイントとなります。

以下の表では、代表的なデメリットとそれに対する考え方を整理しました。

デメリットの項目

主な影響

対策の方向性

経営スタイルの固執

古い習慣やルールが残っている

継承後に徐々に新しい方針を浸透させる

設備の老朽化

突然の故障や修繕費が発生する

事前に保守点検状況を確認し更新費用を予算化

患者の離脱

院長交代による不信感や相性の問題

承継前の挨拶期間を設け信頼関係を構築する

雇用のミスマッチ

スタッフとの相性や給与体系の不一致

面談を重ねてビジョンを共有し条件を調整

 

デメリット1:旧来の経営方針が残ってしまう

前の院長先生が長年かけて築いてきた独自のルールや文化が根付いている場合、新しい方針を取り入れようとすると、現場で戸惑いが生まれることがあります。特に長く勤めているスタッフの方ほど、これまでのやり方に慣れ親しんでいるため、急激な変更はモチベーションの低下や、ときには離職に繋がってしまうかもしれません。

まずは今ある文化を尊重しながら、時間をかけてゆっくりと自分のカラーを馴染ませていくような、焦らず寄り添う姿勢が必要となります。

 

デメリット2:建物や設備の老朽化も継承してしまう

建物の外観は綺麗に見えていたとしても、実際には配管の劣化や医療機器の旧式化が進んでおり、継承直後に高額な修繕費が発生するケースがあります。最新の電子カルテへの移行が必要な場合など、予想外の追加投資が必要になり、結果として新規開業と変わらないコストがかかってしまうことも珍しくありません。

契約前に設備の耐用年数をチェックし、いつ何を更新すべきかの修繕計画を立てておきましょう。

 

デメリット3:患者の離脱が一定数発生してしまう

デメリット3:患者の離脱が一定数発生してしまう

院長交代による不信感や相性の問題により、前院長から通っていた患者様が他院へ流出してしまうリスクは避けられません。特に前院長の人徳に依存していたクリニックほど、承継後の患者減少幅が大きくなる傾向にあります。

継承後しばらくは前院長に非常勤として残ってもらうなど、ソフトランディングを意識した引き継ぎ期間を設ける工夫が必要です。

 

デメリット4:雇用条件の変更が難しい

これまでのスタッフの給与体系や福利厚生をそのまま引き継ぐ場合、自社の基準と合わなくてもすぐには変更できないという制約があります。不利益変更に該当するような調整は法的なハードルが高いため、慎重な手続きが必要となってしまうのです。

継承時の契約内容に雇用条件の取り扱いを明確に盛り込み、スタッフ全員に納得感のある説明を行うための準備を欠かさないようにしましょう。

 

クリニックを継承する際の費用相場

クリニックの売買価格は、単なる設備の価格だけでなく、目に見えない「営業権(のれん代)」を含めて総合的に算出されます。適切な相場を知ることは、譲渡側・譲受側の双方が納得して合意するために不可欠なプロセスです。

一般的な価格算出の構成要素を以下の表にまとめました。

算出要素

算出方法の目安

注意点

資産価値(時価)

内装・機器・薬品などの時価評価額

減価償却が進んでいるものは低評価

営業権(のれん)

修正後利益の2年〜3年分程度

患者数や地域での評判が影響する

負債の調整

借入金や未払金の差し引き

簿外債務のチェックが必須

税金面

譲渡所得に対する所得税等

法人か個人かで税率が大きく異なる


【関連記事】医院継承にかかる費用の相場は?新規開業との違いを比較|テナント工房メディカル – クリニックの設計・内装デザインならテナント工房メディカル

 

時価純資産を基準にして正当な譲渡価格を算出する

基本となるのは、クリニックが保有している資産から、借入金などの負債を引いた純資産額です。この際、帳簿上の価格ではなく、現在の価値(時価)で評価し直すことが一般的です。

古い医療機器などは価値が低いと判断されることもあれば、希少な立地条件がプラスに評価されることもあります。

 

営業権を利益の数年分で見積もり価格に上乗せする

クリニック継承において最も議論になるのが、患者基盤や知名度といった目に見えない価値である営業権です。一般的には、年間利益の2年から3年分程度を資産価値に上乗せして算出されます。

ただし、診療科目の専門性や競合状況、患者の定着率によって倍率は変動するため、専門の仲介会社による査定を受けることが推奨されます。

 

仲介手数料などの諸費用を計算し資金計画を立てる

クリニックの継承を安全に進めるためには専門のコンサルタントを利用するのが推奨されるため、その手数料を予算に含めておく必要があります。手数料は譲渡価格の数パーセント、あるいは最低手数料が設定されていることが一般的です。

契約書の作成や行政手続きのサポートも含まれることが多いため、費用対効果を考えて依頼先を選定しましょう。

 

承継時の税務負担を把握して最終的な手残りを守る

譲渡側は受け取った売却益に対して所得税や住民税がかかり、法人であれば法人税が課せられます。個人事業主の場合、営業権の譲渡は譲渡所得として扱われますが、その金額が大きくなると納税額も膨らみます。

手元に残る金額が想定より少なかったという事態を避けるためにも、事前に税理士へシミュレーションを依頼しましょう。

 

クリニックの継承ステップ

クリニックの継承ステップ

クリニック継承は、検討開始から完了まで半年から1年程度の期間を要するのが一般的です。多くのステークホルダーが関わるため、一つひとつのステップを着実に進めることが成功への近道となります。

以下に、主要な5つのステップを時系列で整理しました。

ステップ

主な内容

実施のポイント

1.相談・選定

仲介会社との面談
現状分析

信頼できるパートナーを見極める

2.マッチング

候補者の選定
面談の実施

経営ビジョンの相性を確認する

3.条件交渉

価格や雇用条件のすり合わせ

妥協できないラインを明確にする

4.基本合意

合意書の締結
独占交渉権

主要条件を文書で固定する

5.最終契約・届出

譲渡契約締結
保健所への届出

手続きの漏れがないようリスト化する


【関連記事】成功するクリニック開業!開業までのステップやポイントを解説|テナント工房メディカル – クリニックの設計・内装デザインならテナント工房メディカル

 

ステップ1:仲介会社への相談と選定

まずはクリニック継承に特化した仲介会社やコンサルタントに相談し、自身の希望条件を整理することから始めましょう。秘密保持契約を結んだ上で、決算書や確定申告書を提示し、クリニックの市場価値を正確に把握することが重要です。

一社だけでなく複数の会社の話を聞き、医療業界の動向に詳しく、親身になってくれる担当者を選ぶことが成功の第一歩となります。

 

ステップ2:候補者とのマッチング実施

仲介会社を通じて、条件に合う譲受希望者や譲渡案件を探し、実際にお互いの顔を合わせるトップ面談を行います。数字上の条件だけでなく、前院長の医療に対する思いや、後継者の将来の展望が一致するかどうかを確認する貴重な機会です。

この段階でミスマッチを感じる場合は、無理に進めず、納得のいく相手が現れるまでじっくり待つ姿勢も必要です。

 

ステップ3:秘密保持契約と条件交渉

具体的な検討が進む場合は、詳細な資料開示のために改めて秘密保持契約を徹底し、実務的な交渉に入ります。譲渡価格、スタッフの待遇、リース資産の引き継ぎ、前院長の引退後の関わり方など、多岐にわたる項目を一つずつ詰めていきます。

感情的になりやすい場面でもありますが、お互いのメリットを尊重し、win-winの関係を築けるポイントを探りましょう。

 

ステップ4:基本合意書の締結

主要な譲渡条件について双方が納得したら、基本合意書(LOI)を締結し、独占的な交渉権を確定させます。ここからはデューデリジェンス(妥当性調査)が行われ、財務や法務のリスクが精査される段階に入ります。

基本合意の段階で主要な項目を確定させておき、最終契約間際での不測の事態を防ぎ、スムーズな決着を目指します。

 

ステップ5:最終契約と行政手続き完了

すべての確認事項がクリアになったら、最終的な譲渡契約を結び、対価の支払いと資産の引き渡しを行います。クリニックの運営主体が変わるため、保健所や地方厚生局への開設・廃止届、社会保険関係の手続きなど、膨大な事務作業が発生します。

行政手続きには期限があるため、仲介会社や行政書士と連携して、診療が滞ることのないようスケジュールを管理しましょう。

 

クリニック継承で失敗しないためのポイント

クリニック継承で失敗しないためのポイン

どれだけ条件が良く見えても、本質的な部分で齟齬があれば、継承後の経営は苦しくなります。何を基準に「Go」を出すべきか、客観的な判断軸を持つことが後悔しないための秘訣です。

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ポイント1:経営理念の一致を最優先する

どれほど収益性が高くても、医療に対する基本的なスタンスが異なると、継承後の運営で必ず摩擦が生じます。価値観の違いは、スタッフの動きや院内の雰囲気として表出します。

トップ面談では、単なる条件の話だけでなく、なぜこの地で医療を行いたいのかという想いの部分を深く対話し、共感できる相手かどうかを判断しましょう。

 

ポイント2:診療圏調査の結果を再検証する

前院長が成功していたからといって、将来も安泰であるとは限りません。近隣に大型の競合クリニックができる予定はないか、あるいは地域の人口減少が進んでいないかを、最新のデータで再確認してください。

過去の実績だけに頼らず、自分が院長として数十年経営を続けていける土壌があるかを、客観的な診療圏分析によって見極めましょう。

 

ポイント3:簿外債務の有無を徹底確認する

帳簿に載っていない借入金や、未払いの残業代などがないかを精査します。継承後に新しい院長が責任を負わされる可能性があるため、デューデリジェンスの段階で専門家を入れて徹底的に調査すべきです。

少しでも不審な点があれば、契約書に表明保証の条項を入れ、譲渡側の責任範囲を明確にしておくことが自分を守ることに繋がります。

 

ポイント4:患者の属性と診療科を照合する

前院長が専門としていた疾患と、後継者が得意とする診療内容が乖離しすぎていないかを確認します。今の患者様が何を求めて通院しているのかを分析し、自分のスキルでそれに応えられる、あるいはプラスアルファを提供できる確信を持てるかどうかが判断の鍵です。

 

まとめ

本記事では、クリニック継承のメリット・デメリット、費用相場や具体的な手順について解説しました。この記事の要点をまとめます。

  • ・クリニック継承は初期投資を抑え、安定した経営基盤を最短で手に入れるための有力な手段である。
  • ・譲渡価格は資産価値と営業権で決まるため、専門家による適正な査定が欠かせない。
  • ・成功の鍵は条件交渉だけでなく、経営理念の共有と行政手続きの計画的な遂行にある。

クリニック継承は人生の大きな転換点となります。まずは信頼できる専門の仲介会社へ相談し、自身の状況を客観的に整理することから始めてみてください。

 

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