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動物病院の内装デザインのポイント!費用や設備の注意点も解説

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動物病院の内装デザインの基本ポイントや費用・工事期間についても解説

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動物病院の患者は、犬や猫などのペットです。そのため、動物病院の内装は、人だけでなく動物が快適に過ごせるようにデザインする必要があります。来院したペットがストレスを感じないような色合いやデザイン、空間づくりを意識しましょう。

本記事では、動物病院の内装デザインのポイントや、導入すべき設備の例、内装工事費の相場を紹介します。

 

≪動物病院の内装が大切な理由≫

動物病院の内装は、来院した飼い主の方の満足度に大きく影響するポイントです。

内装デザインを工夫することで、治療を受ける動物のストレスを軽減したり、飼い主の方に良い印象を与えたりできます。実際に、ペットが安心できる内装や空間づくりをアピールしているクリニックも存在します。

また動物病院の内装によって、診察の効率やスタッフの働きやすさも変わってくるでしょう。ここでは、動物病院における内装の重要性について解説します。

  • 1.動物に与えるストレスや怖さの軽減
  • 2.飼い主に安心感を感じてもらえる
  • 3.効率的な診察サービスが行える
  • 4.医院やクリニックの宣伝になる

 

理由その1. 動物に与えるストレスや怖さの軽減

動物病院で診察を受けるのは、犬や猫などのペットです。人と異なり、動物は初めて訪れる場所に強い恐怖を覚えたり、ストレスを感じたりする場合があります。特に病院やクリニックは、動物にとって痛い思いをする場所というイメージが強く、待合室で暴れてしまうケースも珍しくありません。

来院したペットが受けるストレスは、動物病院の内装によって変わってきます。動物病院を開業する方は、「ペットが不安やストレスなく、診察が終わるまでリラックスして過ごせる場所」をコンセプトとして内装デザインを考えましょう。

 

理由その2. 飼い主に安心感を感じてもらえる

また動物病院の内装デザインは、ペットのご家族(飼い主)の印象にも大きく影響します。明るく清潔感があり、親しみやすい内装に仕上がっていれば、ペットに同伴する飼い主にもリラックスしてもらうことが可能です。

内装デザインで好印象を与えられれば、「次もこのクリニックを利用しよう」という動機付け(来院動機)が生まれます。動物病院の集客の面でも、内装デザインは重要です。

動物病院の内装デザインを考える際は、人と動物がともに安心して過ごせる空間づくりを意識するとよいでしょう。

 

理由その3. 効率的な診察サービスが行える

動物病院の内装デザインは、診察を効率よく行う上でも重要です。動物病院の各部屋(待合室や診察室など)の位置関係や広さによって、スタッフの働きやすさが変わってくるからです。

クリニックの内装は、そこで働く獣医師や動物看護師などのスタッフ、ペットや飼い主などの利用者の「動線(院内の移動)」を考える必要があります。スタッフや利用者の移動を最小限に抑えられる内装デザインなら、効率的な診察サービスを提供できます。

 

理由その4. 医院やクリニックの宣伝になる

動物病院の内装デザインにこだわることで、医師やクリニックの宣伝にもつながります。

飼い主の方は、来院する際に「院内でペットが暴れないか」「普段とは違った行動をとってしまわないか」といった点を心配しています。クリニックの内装が、動物が安心できるデザインになっていることをアピールすれば、飼い主の抱える不安を解消し、集客力を高められるでしょう。

プロモーションの一環として、クリニックの内装デザインに関する情報をSNSなどの媒体で発信するのも効果的なアイデアです。

 

≪動物病院の内装デザイン 6つのポイント≫

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動物病院では、人と動物がともに安心して利用できる内装デザインを考える必要があります。動物病院の内装デザインでお困りの方は、以下の6つのポイントを意識するとよいでしょう。

  • ポイント1. しっかりとコンセプトを決める
  • ポイント2. 間取りや動線を考慮する
  • ポイント3. 快適な待合室にする
  • ポイント4. 清潔感のある内装にする
  • ポイント5. 人と動物の安全性に考慮する
  • ポイント6. 使い勝手の良い収納スペースを設ける

 

ポイント1. しっかりとコンセプトを決める

まずは内装デザインのコンセプトをしっかりと決めておきましょう。

動物病院の内装は、事前にヒアリングを行い、内装デザイン会社の担当者(設計士やインテリアコーディネーターなど)と話し合いながら決めていきます。そのため、打ち合わせの際にどのような希望を伝えるか、という視点で考えると、内装デザインのコンセプトを決めやすくなります。

「明るい雰囲気の待合室にしたい!」「使いやすい収納スペースが欲しい!」など、内装デザインに求めるポイントをいくつか絞り込んでおくとよいでしょう。

 

ポイント2. 間取りや動線を考慮する

動物病院の内装デザインでは、間取りや動線が重要になってきます。それぞれのポイントを解説します。

●間取りの目安

動物病院の各部屋の間取りの目安 は以下のとおりです。

受付 2坪~3坪
診察室 2坪程度
処置室 3坪~5坪
カウンセリングルーム 1.5坪程度
手術室 2坪~3坪
X線撮影室 2坪程度
入院室 4坪~5
トリミングルーム 2坪~3
執務室 4坪~5坪
更衣室 1.5坪~2
トイレ 0.5坪~1

 

動物病院のコンセプトによっては、不要な部屋や設備もあります。例えば、「ペットの入院や一時預かりを行うか(入院室が必要か)」「トリミングにどこまで注力するか(トリミングルームを大きくするか)」など、打ち合わせの段階でコンセプトを固めておくとよいでしょう。

 

●動線

動物病院の内装デザインで大切なのが、飼い主・ペット・スタッフそれぞれの動線です。診察の流れに沿って、受付や待合室、診察室、処置室などを適切に配置し、無駄な移動が発生しないように注意しましょう。

 

ポイント3. 快適な待合室にする

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動物病院ならではの注意点の一つが、待合室の設計です。動物病院の待合室は、人だけでなく動物も利用します。そのため、以下の4つのポイントに基づいて待合室のデザインを考えるとよいでしょう。

  • ●広さを確保する
  • ●自然光を取り入れる
  • ●音響環境の確保
  • ●臭いの対策

 

●広さを確保する

一般的な動物病院の場合、待合室の広さの目安は、受付カウンターも含めて2坪~3坪程度 とされています。ただし、受付にカルテ棚を置く場合は、もう少し広めにスペースを確保するとよいでしょう。

待合室を広めのレイアウトにすると、飼い主やペット同士の距離が保たれ、安心して待ち時間を過ごせます。

 

●自然光を取り入れる

待合室には、窓などの開口部を設け、自然光を取り入れるようにしましょう。自然光は人口の光(照明)と比べて、動物に与えるストレスが少ないため、ペットも飼い主もゆったりと落ち着いて過ごすことが可能です。

 

●音響環境の確保

動物病院では、ペットの鳴き声や、医療機器の立てる音、飼い主の出入りに伴う音など、さまざまな騒音が発生します。待合室の音響環境を整備し、リラックスできる環境音やBGMなどを流すようにすると、こうした騒音によるストレスを軽減できます。

 

●臭いの対策

動物病院ならではの課題の一つが、ペットの臭いや汚れの問題です。院内に換気システムを導入し、ペットの臭いが待合室に滞留したり、診察室から流れ込んだりしないようにしましょう。また汚れにくく、抗菌性や防臭性が高い仕上げ材・コーティング(光触媒など)を使用することも大切です。

 

ポイント4. 清潔感のある内装にする

動物病院の内装には、他の病院やクリニックよりも、清潔感があり衛生的なイメージが求められます。待合室をこまめに清掃するのはもちろん、白やベージュなどの色を採用することで、清潔感を演出できます。

 

ポイント5. 人と動物の安全性に考慮する

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待合室は、たくさんの飼い主やペットが集まる場所です。ペット同士でケンカになったり、ペットが吠えて暴れたりしないように、人と動物の安全性を考慮して内装をデザインする必要があります。

大型犬や小型犬、猫がそれぞれ快適に待ち時間を過ごせるよう、待合室に間仕切りを設けるとよいでしょう。

 

ポイント6. 使い勝手の良い収納スペースを設ける

動物病院の待合室には、使い勝手の良い収納スペースがあると便利です。

例えば、収納効率の良いカルテ棚があれば、受付カウンターのスペースを無駄なく使えます。またペットの待合室に収納棚を設置すると、ペット用のおもちゃやペットフードのサンプル、ペット用品のカタログなどを置くことができて便利です。

クリニックの延床面積が小さい場合は、壁面収納やロフト収納(天井高に余裕がある場合)を活用すれば、限られたスペースを有効活用できます。

 

≪動物病院に必要な設備≫

動物病院に必要な設備は、大きく3つに分けられます。

  • ●検査や診断に必要な設備
  • ●麻酔や手術のための特殊設備
  • ●快適な入院施設の設備

 

動物病院の内装デザインでは、実際の診療オペレーションを想定しながら、できるだけ使いやすいように導線や間取りを考えていきます。そのため、内装工事の打ち合わせと並行して、医療機器や什器・備品の選定を進めていくことが一般的です。開業準備の早い段階で、動物病院に必要な設備をリストアップし、機器選定を始めておくとよいでしょう。

 

検査や診断に必要な設備

検査や診断に必要な設備には、以下のようなものがあります。

設備の例 特徴
診察台 動物の診察を行うための台(※小型犬や大型犬、猫、鳥類、小型哺乳類など、動物の種類に合ったものが必要)
顕微鏡 動物の尿や便、細胞などの検査を行う設備
CT検査装置 コンピュータ断層撮影(CT)により、詳しい検査を行うための設備
血液検査装置 動物の血液を採取し、血液に含まれる赤血球や白血球などの測定や、肝臓・腎臓などの化学分析を行う設備
レントゲン装置 動物の体にX線を照射し、骨折や関節炎などがないか診断する設備

 

麻酔や手術のための特殊設備

動物の麻酔や手術を行う場合は、以下のような設備も必要です。

設備の例 特徴
麻酔器 手術時の麻酔の量を管理したり、麻酔中の人工呼吸を行ったりする設備
生体情報モニター 手術中の心電図、心拍数、血圧や体温など、バイタルサイン(生体情報)をモニタリングする設備
手術用顕微鏡 手術する部位を高倍率で拡大し、観察するための設備
集中治療室(ICU) 手術後、安静を要する場合に使用する設備
内視鏡 消化管内の観察や生体組織の採取、異物(腫瘍など)の除去を行う設備
レーザー治療器 創傷治癒や疼痛緩和、消炎などの効果がある設備

 

快適な入院施設の整備

ペットの入院や一時預かりを行う場合は、以下のような道具や設備を導入するとよいでしょう。

  • ●入院室
  • ●ペットトイレ・ペットシーツ
  • ●隔離室・隔離ケージ(ウイルス感染などが疑われる場合)
  • ●保育器(子犬や子猫の受け入れを行う場合)

 

≪動物病院の内装工事の費用≫

ここでは、動物病院の内装工事にかかる費用の目安や、内装工事費をできるだけ安く抑えるポイントを紹介します。

 

内装工事の相場

内装工事にかかる費用は、坪単価(1坪当たりの単価)で考えることが一般的です。基本的にクリニックの延床面積が広ければ広いほど、内装工事費も高くなります。

内装工事会社にもよりますが、動物病院の内装工事の坪単価は約50万円 と言われています。例えば、延床面積が約20坪のクリニックの場合、内装工事費の目安は約1,000万円です。

ただし、内装工事費が坪単価と延床面積の単純な掛け算にはならないケースもあります。例えば、クリニックに吹き抜けやロフト(屋根裏部屋)を設ける場合、延床面積には数えないため、追加の工事費用がかかることが一般的です。

またバルコニー、デッキ、外階段、土間など、クリニックの外部空間も延床面積として計算されないため、坪単価の中には含まれません。実際の内装工事費については、施工を依頼する内装工事会社に問い合わせましょう。

 

内装工事費を安く抑えるには

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内装工事費をできるだけ安く抑えるポイントは以下のとおりです。

  • ●部屋数が必要以上に多くないテナントを選ぶ
  • ●既存設備をそのまま利用できそうな居抜き物件を選ぶ
  • ●不要な造作家具(壁に取り付ける家具)は発注しない
  • ●予算が少ない場合は仕上げ材(天井や壁の表面に使われる材料)のグレードを落とす
  • ●医療機器や什器等の支払い方法を「リース」にする(月々の支払い額を抑える)

 

できるだけ予算を抑えてクリニックの内装デザインを行うことも可能です。担当者との打ち合わせの際に、予算面について相談しておくとよいでしょう。

 

≪まとめ:動物病院ならではの内装デザインのポイントを知ろう≫

動物病院では、他のクリニックとは少し異なる視点から内装を考える必要があります。動物病院の利用者のメインは、動物(ペット)です。ペットが感じるストレスや恐怖感を軽減でき、飼い主の方も安心して利用できるような内装デザインを意識するとよいでしょう。

また開業準備の早い段階から、動物病院に必要な設備の選定を進めておくと、内装工事の打ち合わせをスムーズに進められます。ペットやご家族、スタッフなど、動物病院に関わるすべての方が快適に過ごせるクリニックを目指しましょう。

 

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