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整形外科クリニックの魅力的な内装デザインのコツ|テナント工房メディカル
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整形外科は、足腰など体に何らかの不調を抱えて来院される患者が訪れる場所なので、内装やレイアウトには十分配慮する必要があります。「居心地が悪い」「通いにくい」負のイメージを与えると、リピーター率が低下して経営に支障を来す原因になるので、コツを押さえて内装設計を行いましょう。
本記事では、整形外科クリニックの内装デザインが患者に与える影響や、内装のポイントと注意点、内装工事にかかる費用の目安について解説します。
整形外科クリニックの内装デザインが患者に与える影響
整形外科クリニックの内装デザインのポイント
快適で安心感を与える空間作り
色彩
照明設計
スタッフや患者の動線を意識したレイアウト
設備や備品の配置
感染症対策・衛生管理
バリアフリー対策
整形外科クリニックならではの内装デザインの注意点
待合室
診察室
検査室
処置室
リハビリスペース
トイレ
整形外科クリニックの内装工事にかかる費用
内装工事の相場
内装工事費を安く抑えるためには
整形外科クリニックの内装デザインを紹介
まとめ
≪整形外科クリニックの内装デザインが患者に与える影響≫
整形外科クリニックには、けがをした人や、足腰に不具合を感じている人が多数来院します。そのため、移動しにくいレイアウトや、待ち時間中に体に負担が掛かるような内装デザインを採用すると、「もう通いたくない」と敬遠されてしまうかもしれません。
特に整形外科は検査やリハビリなどで頻繁に院内を移動するため、動線に配慮された設計になっていないと患者はもちろん、従業員にとっても働きにくい環境になってしまいます。
以上の点から、整形外科クリニックの内装デザインは患者目線、従業員目線での設計・デザインが大切です。
≪整形外科クリニックの内装デザインのポイント≫
整形外科クリニックの内装デザインを決めるに当たって押さえておきたいポイントを7つご紹介します。
快適で安心感を与える空間作り
整形外科クリニックを訪れる患者は、痛みや違和感、不安、緊張などさまざまな悩みを抱えているケースがほとんどです。患者が少しでも安心・リラックスして待ち時間や受診時間を過ごせるよう、ストレスフリーな環境作りを目指しましょう。
例えば、待合室に座り心地の良いソファや椅子を設置する、ソファ同士の間隔に余裕を持たせる、観葉植物やアートなどを飾ってリラックスできる雰囲気を作るなど。照明や採光を工夫して院内を明るくしたり、テレビやウォーターサーバーを設置したりするのも一つの方法です。
色彩
壁や天井、床、家具などの色彩は、クリニックの雰囲気やイメージを決める重要なポイントです。どこに何色を採り入れるかによって院内の雰囲気はがらりと変化するので、コンセプトやテーマに合わせて色を選ぶようにしましょう。
例えば、清潔感を前面に出したいのなら白やブルー、ぬくもり感を演出したいのならアイボリーやベージュ、女性をターゲットにするのならピンク色など。
ただし、複数の色を採り入れると、かえってまとまりのない印象を与える可能性があるため、なるべく少ない色で統一させるのがポイントです。
照明設計
室内を照らす照明は、場所ごとに適したものを選びましょう。例えば、診察室では患者の肌の色などを正確に見極められるよう、明るめの照明を採り入れるのがおすすめです。
一方、待合室ではリラクゼーション効果を高めるために、ぬくもり感のある暖色系の照明を採用してみるのも一つの方法です。おしゃれな空間を演出したいのなら、観葉植物やテレビの後ろに間接照明を設置してメリハリを出すなどの工夫を施してもよいでしょう。
スタッフや患者の動線を意識したレイアウト
整形外科クリニックの内装を考えるときは、スタッフと患者がそれぞれ無駄のない動線を確保できるのかどうかも重要なポイントになります。患者なら、受付→待合室→診察室→リハビリ室or処置室→会計の流れで動くため、各々の場所をスムーズかつ短時間で移動できるのかどうか吟味しましょう。
一方のスタッフ動線は、患者動線となるべく交差しない配慮が大切です。実際にスタッフや患者の動きをシミュレートしてみると、それぞれの動線をどのように配置したらよいのか判断しやすくなるでしょう。
設備や備品の配置
整形外科クリニックには、診察デスクや椅子、診察台、マスクや手袋、包帯、ガーゼなどの備品など、さまざまな設備や備品をそろえておく必要があります。これらの設備・備品をどこに配置するかによって業務効率は大きく変わるので、必要なときに必要なものをすぐ取り出せるよう、設備の設置場所や備品の置き場所は慎重に検討しましょう。
また、衛生面を考慮し、消毒器具とそれ以外の備品は区別するなどの配慮も必要です。
感染症対策・衛生管理
整形外科クリニックに限らず、病院では感染症対策や衛生管理が必須です。
特に患者が素手で触れる機器や場所は、小まめに清掃・消毒すると共に、防水・防汚性の高い素材を選ぶなどの配慮を行うとよいでしょう。
例えば、待合室のソファや診察台に抗菌素材のものを選ぶ、リハビリ機器の付近やトイレなどに消毒剤を備え付けるなど。また、待合室や診察室、リハビリ室などは定期的に清掃・消毒し、患者が安心して使える環境をキープしておくことが大切です。
バリアフリー対策
整形外科クリニックに来院する患者は、けがや高齢で足腰が不自由な人や、車いすを使っている人もめずらしくありません。このような事情を抱える人たちでも院内を問題なく移動できるよう、クリニック全体にバリアフリー対策を施すのは必須です。
具体的には、廊下やトイレに手すりを設置する、玄関や室内の出入口の段差を解消する、廊下の幅を広く取って車いすが通れるようにするなど。特に段差が大きくなりやすい玄関については、スロープを設けるのがおすすめです。
≪整形外科クリニックならではの内装デザインの注意点≫
同じ医療機関であっても、整形外科クリニックと他科クリニックでは、内装デザインで注意すべきポイントに違いがあります。ここでは、整形外科クリニックだからこそ気を付けたい内装デザインのポイントを場所別にご紹介します。
待合室
整形外科クリニックの待合室では、待ち時間中に患者が痛みやストレスを感じないかどうかの配慮が大切です。
例えば、待合室のソファや椅子の座面が低い位置にあると座ったり立ち上がったりするときに膝や腰に負担が掛かる場合があるので、座面の高さは約45cmくらいで統一するのが良いとされています。スペースに余裕があるのなら肘掛け付きの椅子を配置すると、座る・立つの動作がよりスムーズになります。
診察室
診察室への入口は、杖をついた人や車いすの人でも出入りしやすいよう、幅にゆとりを持たせた設計にしましょう。
また、整形外科では診察台を使用するケースが多いため、診察用の椅子から診察台へスムーズに移動できるのかどうかも重要なポイントになります。
検査室
整形外科クリニックではさまざまな検査が行われますが、特に頻度の高いものがX線検査です。X線検査室は検査機器そのもののサイズが大きいため、ゆとりのあるスペースを確保しなければなりません。
一方で、待合室や診察室からの動線も考慮する必要があるため、間取りは念入りにシミュレーションした方が良いでしょう。
また、X線検査室は他の部屋に放射線が漏れないよう、床や壁、天井に放射線を遮る鉛板を差し込む遮蔽内装仕上げが必要になります。これに関しては、医療法施行規則第30条の4の1にて、天井、床および周囲の画壁は、その外側における実効線量が1週間につき1ミリシーベルト以下になるように遮れるものとすると定められており、不十分だと規則違反になるので注意が必要です。
処置室
処置室では、患者の不安や緊張を緩和するため、なるべく静音にこだわった設計にするのがポイントです。防音・遮音効果の壁材を使用すれば、処置室からの音が廊下や待合室まで漏れにくくなるため、患者本人はもちろん、外で待っている他の患者もストレスを感じずに済むでしょう。
また、処置の内容によっては水やお湯の使用もあるため、室内に足の洗い場などを設置するのもおすすめです。他にも、診察室から処置室までスムーズに移動できる動線になっているかどうかもチェックしておきたいポイントです。
リハビリスペース
整形外科クリニックと他科クリニックの一番の違いは、リハビリスペースの有無です。特に、特定の医療行為に対して支払われる特掲診療料としてリハビリ室を設ける場合は、少なくとも45m²以上のリハビリスペースを設けなければならない規定があるため、間取りを考える際は認可条件をクリアしているかどうか確認する必要があります。
[注1]地方厚生局「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」P159
また、リハビリスペースでは、ロッカーや更衣室などの備え付けも必要です。更衣室は男女で個室に分けるのが理想ですが、スペースの問題で難しい場合はパーティションやカーテンで区切るなどの工夫を施しましょう。
トイレ
前述の通り、整形外科クリニックには足腰が不自由な方や車いす利用者が多く来院するため、トイレはバリアフリー仕様にするのが基本です。具体的には、入口を引き戸にする、段差を設けない、室内に手すりを設ける、車いすごと入れる十分なスペースを設けるなど。スペースにゆとりがあれば、トイレ内に車いすのままでも使える背の低い手洗い場の設置も検討しましょう。
また、クリニックという場所柄を考慮し、トイレにいる間に何らかのトラブルが発生した場合に備えて非常用ボタンを取り付けておくと患者も安心して利用できます。
≪整形外科クリニックの内装工事にかかる費用≫
整形外科クリニックの内装工事を考える際は、あらかじめ予算を組んでおく必要があります。ここでは整形外科クリニックの内装工事にかかる費用と、コストを安く抑えるための方法を紹介します。
内装工事の相場
整形外科クリニックの内装工事にかかる費用は、クリニックの規模や設備の種類・数などによって異なりますが、坪単価の目安は30万円~90万円とされています。仮に30坪なら900万円~2,700万円、40坪なら1,200万円~3,600万円くらいがおおよその相場です。
ただし、上記はあくまで目安ですので、詳細な工事費用を知りたい場合は内装工事業者に見積もりの作成を依頼しましょう。内装工事費用は同じ施工内容だったとしても、依頼する業者によって大きな差が出る場合があります。より良い条件で施工を依頼したいのなら、複数の業者から相見積もりを取り、施工内容と費用を比較して検討することが大切です。
内装工事費を安く抑えるためには
内装工事費を安く抑えるには、前述した相見積もりに加え、以下のような方法の実践が有効です。
● 居抜き物件を探す
● 中古品やリース品を利用する
● スケジュールに余裕を持たせる
居抜き物件とは、前の施設の内装や設備をそのまま流用できる物件のことです。新たに設備を購入したり、内装工事を行ったりしなくて済むぶん、内装費を大幅な節約が可能です。
ただし、設計やレイアウトの自由度は低下するため、自分がイメージするクリニックの内装とマッチしているかどうか、きちんと精査しましょう。なお、居抜き物件では設備や内装が古い可能性もあるため、問題なく利用できるのかどうかの確認も大切です。
余裕を持ったスケジュールだと、施工にかかる人件費を節約できるというメリットがあります。タイトなスケジュールを組むと、オープンに間に合わせるために大量の作業員を投入する可能性が高くなり、コストが割高になる可能性があるからです。スケジュールに余裕を持たせておけば、必要最小限の作業員で施工を勧められるため、トータルコストの節約になるでしょう。
≪整形外科クリニックの内装デザインを紹介≫
テナント工房メディカルが施工した内装デザインの事例をご紹介します。
“空と木”をモチーフに、落ち着いた空間と爽やかな色で通院したいと思えるClinic
爽やかで落ち着く色合いのデザインながらも、患者動線とバック動線を完全分離し、利便性と快適性を兼ね備えた整形外科クリニック
≪まとめ:整形外科クリニックの内装デザインは場所ごとのコツを押さえるのがポイント≫
整形外科クリニックの内装デザインは、患者の集客やリピート率に大きな影響をもたらします。「またここに来たい」「通い続けたい」と思ってもらえるよう、快適性や動線、衛生面などを考慮した設計・レイアウトを心掛けましょう。
また、患者目線だけでなく従業員目線も考慮し、スムーズに移動できる動線や、業務効率を向上させる設備・収納の配置など工夫を採り入れることが大切です。
整形外科クリニックのデザインやレイアウトに悩んだら、クリニックの内装工事に特化した業者に相談し、二人三脚でデザインを考案することをおすすめします。