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ここちよい皮膚科の内装デザイン成功のポイント|テナント工房メディカル
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ここちよい皮膚科の内装デザイン成功のポイント|テナント工房メディカル
皮膚科の内装デザインには、清潔感だけでなく居心地の良さも求められます。皮膚科の競争が激化している中、他のクリニックとの差別化を図るためにも、患者にとって安心感のある空間づくりを心掛けてみましょう。
本記事では皮膚科の内装デザインが重視される理由や、保険診療と自由診療における内装デザインの違い、内装デザインを考える際に押さえておくべきポイント、清潔感を維持するための工夫、内装デザインを成功させるためのコツをまとめました。
≪皮膚科の内装デザインが大切な理由≫
皮膚科の内装デザインが重要とされる理由は大きく分けて4つあります。
まず1つ目は、患者にとって安心感のある空間を作ることです。皮膚科に限らず、クリニックでは清潔感が重視されます。そのため、衛生面を維持・管理しやすい内装にすることが大切です。
2つ目は診療の精度を高めることです。皮膚科の場合、皮膚の色や状態を細かく精査しなければならないため、診察室の採光や照明などを工夫し、正確な色を再現できる環境にする必要があります。
3つ目はリラックスできる環境づくりです。居心地の悪いクリニックはリピート率の低下につながるため、経営に悪影響をもたらす恐れがあります。皮膚科を訪れる患者が最初から最後まで心地良く過ごせるよう、待合室や診察室のレイアウトや配色にこだわりましょう。
4つ目は、クリニックの法規制です。クリニックの内装設計では、建築基準法や消防法、バリアフリー法、医療法などさまざまな法律に則ってデザインやレイアウトを行う必要があります。
どの法律が適用対象になるのかはクリニックが有床か否かによって異なりますが、診療の内容によっては法規制に抵触しないような内装にする必要があります。
≪保険診療と自由診療で内装デザインの違い≫
皮膚科の診療には、健康保険が適用される保険診療と、保険を使えない自由診療の2種類があります。
前者は皮膚疾患の治療を目的としたもので、後者は皮膚の審美性を高めることを目的としたものです。したがって、それぞれターゲット層が異なります。
ターゲット層が変われば、内装デザインも異なるアプローチが必要になるため、それぞれの診療ごとにデザインのコツを押さえておく必要があります。
ここでは保険診療と自由診療ごとの内装デザインの特徴をまとめました。
保険診療の場合
保険診療では、患者は病気に対する何らかの不安や悩みを抱えているケースが多いため、なるべくリラックスできる空間づくりを心掛けるのがポイントです。
また、皮膚疾患の中には接触によって移るものもあるため、感染症対策は必須です。
さらに、多くの患者が訪れてもスムーズに診療できるよう、回転率を高める動線を採り入れる工夫も必要となります。
自由診療の場合
自由診療の場合、患者は自身の悩みやコンプレックスを解消するために来院しているため、落ち着いて相談できるカウンセリングルームなどの設置が必要です。
なお、カウンセリングルームについてはプライバシーにも配慮し、個室や間仕切りを作るまどの配慮を行うのも重要なポイントの一つです。
また、審美性にこだわる患者のために、高級感やラグジュアリー感のある内装にするとリピート率アップにつながるでしょう。
≪皮膚科の内装デザインを考えるためのポイント≫
皮膚科の内装デザインを考える際に押さえておきたい基本的なポイントを6つご紹介します。
待合室を快適な空間にする
患者を長時間待たせてしまうと心身に負担がかかり、ストレスを感じる原因となります。イライラやストレスや再来院を妨げる要因となるため、待合室にはリラックスして過ごせるような工夫を採り入れましょう。
例えば、子連れの患者向けにキッズスペースを確保する、デジタルサイネージを設置して現在の待ち時間や患者にとって有用な情報を流す、心地よいアロマや音楽を採り入れるなどです。また、待合室のソファの間隔にはゆとりを持たせ、窮屈感を軽減することも大切です。
カラーコーディネートで落ち着きを演出する
院内のカラーコーディネートは、来院した患者の心理状態に大きな影響をもたらすといわれています。
例えば、白色は清潔感、青色は落ち着きやリラックス、グリーンは癒やし、ベージュやアイボリーは穏やかな雰囲気をそれぞれ演出します。
皮膚科のコンセプトやテーマに基づき、天井や壁、床、家具などの色をイメージに合わせてチョイスすれば、落ち着きのある空間を生み出せるでしょう。
適切な照明計画を行う
皮膚科に設置する照明は、場所ごとのニーズに合わせて適切に選定する必要があります。
例えば待合室なら、ぬくもりのある暖色系の照明を採り入れるとリラックスできる空間になります。また、おしゃれな雰囲気にしたいのであれば、絵画やオブジェなどに間接照明を当てるなどのこだわりを採り入れても良いでしょう。
一方、診察室では診療の精度を高めるため、実用性を重視した照明を選ぶことがポイントです。特に照明の配置を誤ると、手元に影ができて診療や施術に支障を来す原因となるため、照明をどこに、どのくらい取り付けるかも慎重に検討する必要があります。
なお、診察・施術中の患者の緊張や不安を解消できるよう、なるべく太陽光を採り入れるなどの配慮も大切です。
患者動線とスタッフ動線を意識する
皮膚科の内装デザインを決める際は、患者が動くルートと、スタッフが動くルートの2つを意識しながらレイアウトを考えなければなりません。
前者をおろそかにすると、患者のストレスがたまる原因になります。そのため、通路に余裕を持たせる、待合室から診察室やカウンセリングルームへの動線を短くするなどの工夫をこらしましょう。特に美容皮膚科の場合は患者同士が顔を合わせないよう、プライバシーに配慮した動線を考えることも大切です。
一方、スタッフ動線は作業効率を左右する重要な要素であるため、無駄な動きをなるべく削減したルートを導き出します。また、患者と接触する機会が多過ぎると双方にとってストレスを感じやすいため、患者動線とスタッフ動線はなるべくかぶらないよう留意した方が良いでしょう。
プライバシー管理ができるようにする
皮膚科の診察やカウンセリングでは、患者にとってデリケートな話題や情報を取り扱います。患者が気兼ねなく悩みを相談できるよう、診察室やカウンセリングルームには防音や遮音を施したり、目隠しをしたりする配慮を行いましょう。
カウンセリングルームは完全個室を用意できればベストですが、面積の関係上難しい場合などは、間仕切りを設けるなどの措置を講るのも有効な方法です。
また、待合室でもソファや椅子の配置を工夫し、患者同士の目線が合わないよう配慮しましょう。スペースが狭い場合は、ソファの間に背の高い観葉植物を配置して、間仕切りの代わりにする方法もあります。
患者の心理に寄り添ったデザインの重要性
皮膚科の内装を考える際は、患者の目線になって、正確にニーズを把握することが大切です。
例えば美容皮膚科なら、「知り合いと顔を合わせたくない」という人もいれば、「エステサロンみたいにリラックスして施術を受けたい」という人もいるでしょう。
前者ならプライバシー保護を徹底した空間づくりを優先的に行い、後者なら全体の色や設置する家具のデザインなどにこだわって、リラックスできる環境を整えることに注力すると、患者ファーストの内装に仕上がるでしょう。
≪清潔感を維持するためのポイント≫
皮膚科では、清潔感や衛生面を常に維持することが求められます。
院内の清潔感を維持するために実践したい対策を3つご紹介します。
汚れやすい場所を把握する
同じ院内でも、場所によって汚れやすさに違いがあります。特に汚れやすいのは、ドアノブや待合室のソファなど患者が直に触れるところと、トイレや洗面台などの水回り、床などです。これらの場所は日頃から重点的に掃除し、常にきれいな状態をキープできるようにしておきましょう。
汚れにくい素材を使用する
院内の壁材や床材、設備などについて、元々汚れにくい素材を採用するのも有効な対策の一つです。
例えば、床材には抗菌性や抗ウイルス性の高いビニル床材を使用する、壁には抗菌性・防汚性に優れたビニールクロスやセラミックタイルを選ぶなどです。これらの素材は汚れが付きにくく、かつ汚れが付着しても落としやすいため、メンテナンス性に長けており、清潔感の維持に役立つでしょう。
消毒やメンテナンスをしやすい素材を使用する
壁材や床材、家具の素材によっては、消毒剤や洗剤の使用が制限されているものもあります。このような素材を使用すると消毒やメンテナンスに手間がかかるため、幅広い消毒剤・洗剤の使用に対応した素材を選ぶのがおすすめです。
≪皮膚科の内装デザインを成功させるためのコツ≫
皮膚科の内装デザインを成功させるために知っておきたいコツを3つのポイントに分けて解説します。
デザインコンセプトや大まかな予算は明確にしておく
皮膚科の内装デザインを業者に伝える際は、どのような皮膚科を目指しているのか、どういうターゲットを層を想定しているのかなど、具体的なデザインコンセプトを明確にしておきましょう。
デザインの方向性が固まっていれば、設計やレイアウトの段階で迷ったりつまずいたりするリスクが少なくなります。
また、この時点で大まかな予算を決めておくことも大切です。細かい費用は業者からの見積もりをチェックしないと分からない部分もありますが、予算を決めておかないと、どこにどのくらいお金をかけられるかを計算しにくくなります。
業者に依頼する際はデザインコンセプトとともに、大まかな予算を伝えておくと、予算内に収まる設計やデザインを提案してくれるでしょう。
内装会社とは密にコミュニケーションを取る
内装工事を依頼する業者とは小まめにコミュニケーションを取りましょう。コミュニケーションが不足していると、こちらの要望がうまく伝わらず、デザインや設計にニーズが反映されない可能性があります。
面倒でも繰り返し打ち合わせを重ねれば、業者との間に齟齬が生じにくくなり、後のトラブルの防止につながるでしょう。
また、設計やデザインの段階だけでなく、実際に施工が始まった後も定期的に現場を訪れ、事前の打ち合わせ通りに正しく施工が行われているかをチェックするのをおすすめします。
もし打ち合わせと異なる部分を見つけたら、その場で指摘し、必要な措置を講じてもらいましょう。
クリニックの実績が豊富な内装会社を選定する
内装会社と一言にいっても、得意分野や実績の豊富さは業者によって差があります。
クリニックの内装デザインと、他の施設の内装デザインではニーズや目的が大きく異なるため、クリニックの施工実績が豊富な業者を選んだ方が的確なアドバイスやサポートを期待できるでしょう。
施工実績や施工事例は内装会社のWebサイトなどに掲載されているため、事前にチェックすることをおすすめします。
また、実際にその会社を利用した人の口コミや体験談を参考にするのも一つの方法です。
口コミは主観的な情報のため、全面的に鵜呑みにするのはおすすめできません。しかし、実際にサービスを利用した人でないと分からないことが、口コミに掲載されていることもあります。業者選びの判断材料の一つとして、活用してみても良いでしょう。
≪まとめ:皮膚科の内装デザインを考えるときは清潔感や居心地の良さを重視しよう≫
皮膚科には清潔感や衛生面の他、居心地の良さや快適性などが求められます。
患者の立場になってニーズを正確に把握し、待合室を快適な環境にする、カラーコーディネートでリラックス空間を演出する、2つの動線を意識するなど、さまざまな工夫を採り入れて理想の内装に仕上げましょう。
なお、同じ皮膚科でも、保険診療と自由診療では内装デザインのニーズに違いがあるため、自院の診療内容に合わせてデザインやレイアウトを設計することも大切です。
「実用性とデザイン性を両立させたい」「オリジナリティのある内装で他院との差別化を図りたい」など、こだわりの皮膚科の開業を目指している方は、デザインコンセプトを明確にしましょう。また、実績の豊富な内装会社を選び、積極的にコミュニケーションを取ることをおすすめします。