Category:お役立ち情報
クリニック受付スペースのポイント4選!デザインやレイアウトのコツを解説
Category:お役立ち情報
クリニック受付スペースのポイント4選!デザインやレイアウトのコツを解説
クリニックの受付スペースは、来院した患者様が初めて目にする場所です。クリニックの第一印象に大きな影響を与えるため、受付スペースの内装にもこだわりましょう。
本記事では、クリニックの受付スペースの内装デザインで意識したいポイントを紹介します。
≪受付スペースの基本的なデザインのポイント4選≫
受付スペースのデザインやレイアウトのポイントは、大きく分けて4つあります。
- ●受付カウンターの配置と高さ
- ●受付エリアの広さ
- ●快適な待ち時間の提供
- ●受付スペースの清潔さ
ポイント①受付カウンターの配置と高さ
まずは受付カウンターの配置と高さです。 受付カウンターの寸法は、患者様とのコミュニケーションの取りやすさに影響します。受付カウンターが高すぎると、患者様が受付用紙に記入したり、お会計をしたりする際に不便です。逆に受付カウンターが低すぎると、カルテなどの個人情報が待合室から見えてしまうため、適度な高さのカウンターを設置する必要があります。
受付カウンターの寸法の目安は以下のとおりです。
床からの高さ | 1m~1.1m |
天板の奥行き | 30cm程度 |
受付カウンターをゆとりを持って設置できるよう、受付スペースの間取りを考えましょう。またスタッフが待合室にスムーズに出入りできるように、出入部(スイング扉など)の配置にも工夫が必要です。
ポイント②受付エリアの広さ
2つ目のポイントは、受付エリアの広さです。 受付エリアにゆとりがないと閉塞感が感じられ、来院した患者様にとってストレスになる可能性があります。また受付で働くスタッフにとっても、作業スペースが狭いと業務効率が低下する原因になります。
受付エリアはなるべく広くし、開放感を意識して間取りを考えましょう。患者様の中には、車いすや松葉杖を利用する方もいます。バリアフリーの観点からも、受付エリアは一定以上の広さを確保し、ゆとりを持って動線を設計することが大切です。
ポイント③快適な待ち時間の提供
3つ目のポイントは、患者様に快適な待ち時間を提供できているか、という点です。 受付スペースは、患者様が初めて目にする場所であると同時に、長い時間を過ごす場所でもあります。待ち時間の間、患者様がリラックスして過ごせるような内装デザインを意識しましょう。
例えば、待合室の椅子やテーブルは快適性を考慮し、患者様がゆったりと座れるようなものを選びましょう。また受付スペースの照明も重要です。例えば、温かみのある温白色(おんぱくしょく)の照明や、患者様が光源に直接晒されない間接照明など、照明の色温度や照明器具の種類を工夫しましょう。
ポイント④受付スペースの清潔さ
最後のポイントは、受付スペースの清潔さです。 受付周辺が整理整頓されていなかったり、ごみや不用品が置きっぱなしになっていたりすると、初めて来院した患者様に良い印象を与えられません。また受付で働くスタッフにとってもストレスの原因になります。 受付スペースの清潔さを保つポイントは、収納を有効活用した内装デザインです。カルテ棚やキャビネットなど、収納用品を取り入れて受付スペースの整理整頓に努めましょう。
受付スペースが狭く、大型の収納用品を設置できない場合は、縦横の空間を活かすのが整理整頓のポイントです。キャビネットの上下に仕切りを入れたり、横にフックを取り付けたりと、限られた空間を有効活用しましょう。またキャスター付きのキッチンワゴンなら、ちょっとした余剰スペースを活かす「スキマ収納」にぴったりです。
≪クリニック受付の内装デザインの選び方≫
受付スペースの基本的なデザインのポイントをふまえて、以下の4つのポイントで内装デザインを選びましょう。
- ●内装のスタイルや色を選定する
- ●受付カウンターのデザインを考える
- ●照明を工夫する
- ●患者への情報提供のための装飾を取り入れる
内装のスタイルや色を選定する
まずは内装のスタイルや色を選定しましょう。 特に重要なのが、患者様に心理的な影響を与えるカラーコーディネートです。受付スペースの場合は、ホワイト、クリーム、グレーなどのニュートラルカラーを基本としつつ、ベージュ、ライトブルー、ライトグリーンといった快適で心地良く感じられる色をアクセントとして加えましょう。
受付カウンターのデザインを考える
次に受付カウンターのデザインを考えましょう。 受付カウンターには、カウンター部分がなめらかな曲線になった円弧型、壁面から独立した独立型、壁面の開口部に作られた壁面開口型など、さまざまな種類があります。イメージに合ったものを選んでください。
照明を工夫する
受付スペースの照明は、患者様の快適性だけでなく、内装デザインにも大きく影響するポイントです。 患者様にとって刺激のない温白色の照明や間接照明をメインとして、担当の設計士とコミュニケーションを取りながら照明プランを決めましょう。シックな雰囲気を演出したい場合は、光の広がりが抑えられたグレアレスダウンライトも受付スペースに適しています。
患者様への情報提供のための装飾を取り入れる
忘れてはならないのが、患者様への情報提供を目的とした装飾を取り入れるという点です。 受付スペースには、医療に関わるさまざまなポスターやチラシが掲示されます。掲示物がキレイに整理整頓されていないと、患者様に良い印象を与えられません。 壁の一面を掲示板にする壁面掲示板などの装飾を取り入れ、ポスターやチラシを見やすく提示しましょう。入口に大きな下駄箱がある場合は、下駄箱の一面を掲示板にすることも可能です。
≪効果的な受付レイアウトの例≫
患者様にとって過ごしやすい受付スペースにするには、内装デザインだけでなく、動線や待ち列といったレイアウトにこだわることも大切です。ここでは、効果的な受付レイアウトのポイントを3つ紹介します。
- ●動線がスムーズか
- ●プライバシーが確保されているか
- ●患者の心理的な安心感が考慮されているか
動線がスムーズか
まずは来院した患者様の目線に立って、待合室へスムーズに移動できるようなレイアウトを考えましょう。 スタッフが作業しやすいように、クリニック内の動線を設計をするのも大切です。受付や診察室など、スタッフが頻繁に行き来する場所はなるべく近くに配置すると、無駄な移動が減り動線がスムーズになります。
プライバシーが確保されているか
また患者様のプライバシーを守るレイアウトも重要です。 特に注意したいのが、受付スペースのうち歩道などに面している部分です。歩行者の視線を遮るものがないと、待合室の様子が外から丸見えになり、患者様にストレスを与えかねません。 歩道に面する部分は窓を設置しない、ガラス窓がある場合はブラインドを設置する、といった対策により患者様のプライバシーを確保しましょう。
患者様の心理的な安心感が考慮されているか
最後に、患者様の心理的な安心感を考慮して受付のレイアウトを決めましょう。 例えば、受付で対応しているスタッフの姿が待合室から見えると、患者様は安心して診察を待つことができます。スタンド・着座の両方に対応したカウンターなら、作業するときは着座、患者様に対応するときはスタンド、と切り替えられるため、スタッフにとって負担になりません。
≪受付スペースに求められる機能≫
受付スペースのデザインやレイアウトに迷ったら、クリニック受付に必要な機能を整理してみましょう。受付スペースの機能から逆算することで、デザインのアイデアが生まれる場合もあります。 ここでは、一般的な受付スペースに求められる機能を4つ紹介します。
- ●作業スペースの確保
- ●待合スペースまでの動線
- ●予約システムや待ち時間の案内システムの導入
- ●メンテナンスのしやすさ
作業スペースの確保
まずは受付カウンターを整理整頓し、スタッフの作業スペースを確保しましょう。
- ●カウンターの内側に引き出しを設置し、筆記用具などを収納する
- ●パソコンなどの配線は、カウンターの天板に配線穴を開けてキレイにまとめる
- ●カルテなどの書類は、カウンターの後ろの壁面などを利用して収納する
また受付カウンター自体が狭い場合は、隣接する小部屋などをバックヤードとして運用すると、スタッフの作業スペースを確保できます。
待合スペースまでの動線
次に待合スペースの動線設計が必要です。 来院した患者様が待合室まで行く場合と、受付のスタッフが待合室まで行く場合の両方を考慮し、待合室までの動線を考えましょう。あらかじめ動線設計を行っておくと、受付スペースのレイアウトや、待ち列の配置などが決めやすくなります。
予約システムや待ち時間の案内システムの導入
患者様の待ち時間の解消につながるのが、予約システムや待ち時間の案内システムの導入です。 予約システムなら、患者様がスマートフォンやパソコンから診察を予約できるため、受付での手続きを省略できます。また待ち時間の案内システムがあれば、診察までのおおよその待ち時間が可視化されるため、患者様のストレスを軽減できます。
メンテナンスのしやすさ
最後に、受付スペースのメンテナンスのしやすさも大切です。 病院の受付スペースには、不特定多数の方が来られるため、院内感染対策としてアルコール消毒液などを用いた消毒・除菌が必要です。受付スペースの内装は、繰り返し消毒・除菌を行っても劣化しにくいような素材を選びましょう。
例えば、耐アルコール素材(ビニールレザーなど)の家具や備品を選ぶと、アルコール消毒を行っても張地などが劣化しません。 またノロウイルスやロタウイルスなど、アルコール消毒が効きにくいノンエンベロープウイルスの感染対策として、次亜塩素酸ナトリウム消毒 (=市販の塩素系漂白剤の主成分 )を実施する場合は、耐アルコールだけでなく、耐次亜塩素酸ナトリウム仕様の内装が必要です。次亜塩素酸ナトリウムを用いて通常のビニールレザーなどを拭くと、色落ちや変色が起こる可能性があります。 受付スペースに設置する家具や備品は、色・デザインだけでなく、将来的なメンテナンスのしやすさも考慮して選ぶことが大切です。
≪失敗しない受付スペースの作り方≫
クリニックの内装工事が完了したら、後でデザインやレイアウトを作り直すのは簡単ではありません。患者様やスタッフの意見なども取り入れつつ、誰にとっても使いやすい受付スペースを目指しましょう。 ここでは、失敗しない受付スペースの作り方のポイントを3つ紹介します。
- ●患者様の意見を取り入れる
- ●スタッフの声を聞く
- ●内装会社に相談する
患者様の意見を取り入れる
患者様の何気ない意見から、思わぬアイデアが生まれることもあります。例えば、患者様から投書を頂いたら、受付スペースで困っていることはないか、デザインやレイアウトに関する不満はないか、などをチェックしてみましょう。
スタッフの声を聞く
次にスタッフの声を聞いてみましょう。受付カウンターで長時間働くスタッフだからこそ、現場の目線でデザイン改善のヒントを考えてくれるかもしれません。
内装会社に相談する
最後に、クリニックの内装に関する困りごとがあれば、内装会社の担当者に相談してください。内装会社には、設計やデザインのプロが在籍しています。担当者としっかりコミュニケーションを取り、協力しながら理想の内装デザインを決めていきましょう。
≪クリニックの受付デザインの事例≫
ここからは、クリニックの受付デザインがイメージできるような施工事例を2つ紹介します。
木のぬくもり・曲線や間接照明を使い、柔らかい雰囲気を演出。また受付カウンターから来院された患者様がすぐにわかるように、大きな窓を設置
待合・受付スペースは、無駄なものを省いて清潔感あるシンプルな装いに
≪<まとめ>クリニックの受付スペースのデザインやレイアウトのポイントを知ろう≫
クリニックの受付スペースは、患者様の第一印象に影響を及ぼす大切な場所です。患者様の目線に立って、受付カウンターや待合室をデザインしましょう。 クリニックの内装デザインには、色やスタイル、照明、動線、待ち列、プライバシー、心理的な安心感など、数多くの要素が関わっています。患者様やスタッフの声に耳を傾けたり、内装会社に相談したりして、受付スペースのデザインを繰り返しブラッシュアップしていくことが大切です。