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医療脱毛の開業に必要な資格は?医師以外の参入方法も解説!|テナント工房メディカル

Category:お役立ち情報

医療脱毛の市場は拡大を続けており、高い収益性から新規参入を検討する方が増えています。しかし、実際に計画を進める中で「自分は医師ではないがオーナーになれるのか」「具体的にどのような資格が必要なのか」という法的要件の壁に直面することは少なくありません。

この記事では、医療脱毛クリニックの開業に必須となる資格の詳細や、医師免許を持たない経営者が参入するための正規の手順、そして絶対に避けるべき法的なリスクについて解説します。読み終わる頃には、ご自身の状況に合わせた正しい開業の道筋が明確になるはずです。

 

 

医療脱毛の開業に資格は必要なのか?

医療脱毛ビジネスを始めるにあたり、最も基本的な疑問となるのが「誰が開業できるのか」という点です。結論から言えば、クリニックのオーナー(開設者)になること自体には特別な資格は求められませんが、現場を責任者として管理するためには医師免許が必須になります。

ここでは、経営主体と医療責任者の役割分担、そして施術スタッフに求められる資格について整理します。

役割

必要な資格

業務内容

開設者(個人)

医師免許(原則)

クリニックの開設届出人

管理者(院長)

医師免許(必須)

医療安全の管理、監督

実質的オーナー

資格不要

MS法人を通じた経営支援

施術者

医師・看護師免許

レーザー照射等の医療行為

カウンセラー

資格不要

受付、料金説明、契約事務


【関連記事】医療脱毛クリニックの開業までの流れと資金計画を解説!|テナント工房メディカル – クリニックの設計・内装デザインならテナント工房メディカル

開設者は資格不要だが管理者は医師免許が必須

開設者は資格不要だが管理者は医師免許が必須

医療法において、クリニックを開設する主体となる人物を「開設者」、医療の安全管理を行う責任者を「管理者(院長)」と呼びます。個人事業としてクリニックを開設する場合は、開設者は原則として医師である必要があります。

一方、医療法人や一般社団法人などの組織が開設する場合は、法人そのものが開設者となり、出資者や経営の実権を握るオーナー自身が必ずしも医師である必要はありません。ただし、保健所に届け出る「管理者」は、必ず日本の医師免許を持つ常勤の医師(臨床研修修了医師)でなければならないと医療法第10条で定められています。

つまり、あなたが医師でなくても法人を通じてビジネスオーナーにはなれますが、医療現場の責任者として常勤の医師を雇用または提携する必要があるということです。

参考:医療機関の開設者の確認及び非営利性の確認について(◆平成05年02月03日指第9号総第5号)

医師以外が参入できるMS法の仕組み

医師免許を持たない投資家や経営者が医療脱毛事業に参入する場合、一般的に用いられるのが「MS法人(メディカル・サービス法人)」という枠組みです。MS法人とは、医療機関の運営に必要なサービス(不動産賃貸、医療機器のリース、事務代行、広告宣伝など)を提供する営利法人のことを指します。

医療行為そのものは提携した医師(院長)が開設したクリニックが行い、MS法人がその経営実務をサポートするという形で対価を得るビジネスモデルです。この方法であれば、医師免許を持たない方でも実質的なオーナーとして事業に関与可能になります。

施術スタッフには医師または看護師免許が必要

経営面だけでなく、現場で実際に脱毛機の照射を行うスタッフの資格についても厳格なルールがあります。レーザー等を用いて毛根を破壊する行為は「医療行為」とみなされるため、施術を行えるのは医師、または医師の指示のもとで業務を行う看護師(准看護師含む)に限られます。

エステサロンで勤務していた経験豊富なスタッフであっても、看護師免許がなければ医療脱毛の施術を行うことは医師法第17条違反となります。また、2025年の厚生労働省通知により、医師の指示なしに看護師が単独で診察や施術を行うことも違法と明示されました。

採用計画を立てる際は、単なる美容経験者ではなく、有資格者を確保し、かつ医師による適切な指示体制を整えることが前提となるため、人件費や採用難易度を考慮に入れた事業計画が必要です。

参考:医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて(◆平成13年11月08日医政医発第105号)

参考:【厚労省】美容医療で通知、違法かどうかの判断基準など示す|薬事日報ウェブサイト

 

開業における「開設者」と「管理者」の違い

開業準備を進める上で、混同しやすいのが「開設者」と「管理者」の法的な立ち位置です。二つの役割を正しく理解していないと、保健所への届出が受理されなかったり、後の経営トラブルに発展したりする恐れがあります。

ここでは、それぞれの責任範囲と、開業形態ごとの資格要件の違いについて詳しく見ていきます。

【関連記事】美容クリニック開業を成功に導く!資金から集客までの全手順を解説|テナント工房メディカル – クリニックの設計・内装デザインならテナント工房メディカル

開設者は経営責任、管理者は医療責任を担う

開設者とは、クリニックの営業許可上の名義人であり、最終的な経営責任を負う主体です。資金調達や損益の責任は開設者に帰属します。

一方、管理者とは、医療法に基づき医療の安全管理を統括する「院長」のことを指します。管理者は、医薬品の管理、スタッフの監督、衛生管理など、医療現場における全ての決定権と責任を持ちます。

たとえオーナー(開設者や出資者)であっても、医療的な判断に関して管理者の決定を無視して指示を出すことは、営利目的による医療の質の低下を招くとして禁じられています(営利原則の禁止)。

参考:医療機関の開設者の確認及び非営利性の確認について(◆平成05年02月03日指第9号総第5号)

開設形態により異なる資格要件が存在する

開業の形態には大きく分けて「個人開設」と「医療法人開設」があります。個人でクリニックを開業する場合、原則として開設者は医師でなければならず、開設者と管理者が同一人物(院長=オーナー)であることが一般的です。

一方、医療法人が開設する場合、法人が開設者となります。この場合、理事長は原則医師である必要がありますが、法人の出資や経営に関与する理事として非医師が参加することは可能です。

また、先述のMS法人スキームを活用すれば、医療法人の設立を待たずに、非医師が経営的側面からクリニック運営を主導する体制を構築できます。

参考:医師、歯科医師以外の者を理事長とする認可|厚生労働省

管理者には常勤医師の配置が法律で義務付けられている

管理者の要件として重要なのが「常勤性」です。名義だけ医師の名前を借りて、実際にはその医師がほとんどクリニックにいないという状態は「名義貸し」として厳しく処罰されます。

管理者は原則として、「診療時間中」常勤であることが求められ、その診療所の管理業務を適切に遂行する必要があります。また、他の医療機関との管理者の掛け持ちは、都道府県知事の許可を受けた場合を除き、原則として認められません。

ただし、へき地や医師少数区域等の診療所、専門的な医療ニーズに対応する診療所において常勤医師の確保が困難な場合等は、常時連絡が取れる体制を確保する等の条件のもと、例外的に常勤でなくとも管理者として認められる場合があります。したがって、開業にあたっては、診療時間中に常駐し、責任を持って管理業務を遂行できる医師を確保することが、物件選びや内装工事よりも先に解決すべき最重要課題といえます。

参考:管理者の常勤しない診療所の開設について(◆昭和29年10月19日医収第403号)

参考:厚生労働省:診療所の管理者の常勤について(通知)

 

医療脱毛とエステ脱毛の資格要件の違い

医療脱毛とエステ脱毛の資格要件の違い

市場には「脱毛」を謳うサービスが溢れていますが、医療脱毛とエステサロンで行われる脱毛は、法的な根拠も必要な資格も全く異なります。違いを明確に理解しておくことは、競合との差別化だけでなく、コンプライアンスを守る上でも不可欠です。

ここでは、医療行為としての脱毛の定義と、エステサロンとの決定的な違いを解説します。

項目

医療脱毛

エステ脱毛

法的分類

医療行為(医業)

美容サービス

施術資格

医師・看護師(必須)

資格不要(民間資格あり)

使用機器

高出力レーザー(医療機器)

低出力光脱毛機など

効果

永久脱毛が可能

抑毛・減毛・一時的除毛

麻酔

使用可能

使用不可


毛根破壊は医療行為として医師法の適用対象となる

厚生労働省の通達により、レーザー光線やその他の強力なエネルギーを用いて、毛根部分にある発毛組織を破壊する行為は「医行為」であると明確に定義されています。医行為を業として行うことができるのは医師のみであり、医師の指示の下であれば看護師も行えます。

これが医療脱毛の法的根拠です。医療脱毛クリニックで使用される高出力のレーザー機器は医療機器として承認されたものであり、取り扱いには国家資格に基づく専門的な知識と技術が求められます。

参考:医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて(◆平成13年11月08日医政医発第105号)

参考:美容医療に関する取扱いについて(◆令和07年08月15日医政発第815021号)

エステサロンは国家資格が不要である

エステサロンは国家資格が不要である

一方、エステティックサロンで行われる「光脱毛(フラッシュ脱毛)」や「美容電気脱毛」は、医療行為に該当しない範囲での施術に限られます。具体的には、毛根を破壊せず、一時的な制毛や減毛にとどめる出力での照射しか認められていません。

そのため、エステサロンの開業や施術には、医師免許や看護師免許といった国家資格は法的に不要です。民間資格は存在しますが、あくまで任意のものです。

参入障壁の低さがエステサロンの多さを生んでいますが、同時に効果の限界や、誤った施術によるトラブルのリスクも抱えています。

参考:なくならない脱毛施術による危害

参考:「美容ライト脱毛」サービスにおいての法令遵守と安全確保のお願い | 日本エステティック工業会

医療とエステの境界線を把握する必要がある

もし、医師や看護師の資格を持たないスタッフが、医療用レーザー機器を使用したり、エステサロンで毛根を破壊するような高出力での施術を行ったりすれば、医師法第17条違反(無資格医業)として逮捕・起訴される可能性があります。実際に、エステサロン経営者が医療脱毛機を輸入して使用し、摘発された事例も過去に存在します。

開業する側としては、「どの機器を」「誰が」「どの出力で」扱うかという境界線を厳格に守ることが、事業継続の生命線となります。

参考:無資格でのレーザー脱毛行為 | 公益社団法人 日本美容医療協会

参考:医師免許持たずレーザー脱毛を施術した容疑でエステサロン経営者を逮捕:読売新聞

 

医師免許を持たない人が開業するための手順

医師免許を持たない方が医療脱毛ビジネスに参入するには、法に触れない正しい順序と構造で事業を組み立てる必要があります。単に資金を出せば良いというわけではなく、医療法の規制をクリアするためのパートナーシップ構築が鍵となります。

ここでは、非医師がオーナーとして開業するための現実的なステップを紹介します。

手順1:提携医師(院長候補)の確保を最優先で行う

何よりも最初に行うべきは、管理者(院長)となってくれる医師の確保です。どれだけ優れた物件や資金があっても、管理者がいなければ保健所の開設許可は下りません。

求人サイトでの募集や知人の紹介などを通じて、医療脱毛の事業方針に賛同し、かつ管理者としての責任を負う覚悟のある医師を探す必要があります。この際、単なる雇われ院長としてではなく、医療方針や安全管理について十分に話し合い、信頼関係を築けるパートナーを見つけることが成功への第一歩です。

参考:医療法(抜粋)|厚生労働省

手順2:MS法人を設立しクリニック経営を支援する

医師が確保できたら、次は経営の器となる「MS法人」を設立します。クリニック(医療機関)とMS法人(営利法人)の間で業務提携契約を結び、MS法人が集客、経理、人材管理、店舗リースなどの業務を請け負います。

これにより、クリニックからMS法人へ業務委託費や賃料として資金が流れ、実質的なオーナーであるMS法人側に利益が還流される仕組みを作ります。医療機関の非営利性を損なわないよう、取引価格の妥当性について税理士等の専門家と相談しながら設計しましょう。

手順3:物件契約や内装工事の名義に関する注意点を把握する

物件の賃貸借契約や内装工事の発注において、名義をどちらにするかは慎重な判断が必要です。保健所への届出上、クリニックの開設場所の使用権原は開設者(院長となる医師)にあることが基本です。

しかし、契約金や工事費を負担するのはMS法人側であるケースが多いでしょう。この場合、MS法人が物件を借り上げ、それをクリニックに転貸(サブリース)する形をとるか、あるいは開設者が契約しMS法人が保証や資金援助を行うかなど、地域の保健所の運用ルールに合わせて契約形態を整える必要があります。事前の相談なしに進めると、届出時に差し戻しを受けるリスクがあります。

 

開業時に注意したい法的なリスクと対処法

開業時に注意したい法的なリスクと対処法

医療脱毛の開業は高い利益が期待できる反面、医療法や医師法、景品表示法など、遵守すべき法律が多岐にわたります。知識不足によるうっかりミスでも、行政指導や業務停止命令を受ければ、ブランドイメージは失墜し事業存続が危ぶまれます。

最後に、開業前に必ずチェックしておくべき法的なリスクポイントを解説します。

名義貸しと判断されない契約スキームを構築する

最も注意すべきは「名義貸し」の認定です。医師がクリニックの運営に実質的に関与しておらず、単に名前を貸しているだけで、非医師が医療判断までコントロールしているとみなされた場合、厳重な処罰の対象となります。

これを避けるためには、管理者が実際に勤務し、スタッフの採用や指導、医療事故時の対応など、医療現場の責任者としての実態を伴っている必要があります。MS法人が主導する場合でも、医療に関する決定権はあくまで医師にあるという原則を崩してはいけません。

医療広告ガイドラインを遵守し違反を防ぐ

医療機関のウェブサイトやSNS広告は、医療法による「医療広告ガイドライン」の規制対象です。「絶対に生えてこない」「地域No.1」「キャンペーンで無料」といった、科学的根拠に乏しい表現、比較優良広告、射幸心を煽る表現は禁止されています。

特に医療脱毛は自由診療であるため、料金総額、治療のリスクや副作用、使用する機器の承認状況などを明記する義務があります(限定解除の要件)。エステサロン感覚で派手な広告を出すと、保健所の監視対象となり指導を受ける可能性が高いため注意が必要です。

参考:医療広告ガイドライン

参考:医療広告ガイドラインに関するQ&A

無資格施術を防止する管理体制を徹底する

多忙なクリニックで起こりがちなのが、看護師の手が足りない時に、無資格のカウンセラーや受付スタッフに施術の一部を手伝わせてしまうケースです。たとえジェルの塗布や簡単な補助であっても、医療行為と一連の流れで行われる作業にはグレーゾーンが存在します。

照射行為そのものを無資格者が行うことは論外ですが、現場の判断でなし崩し的に違法行為が行われないよう、業務マニュアルを整備し、職種ごとの業務範囲を明確に区分けして管理することが経営者には求められます。

 

まとめ

医療脱毛クリニックの開業には、法的な資格要件の正しい理解と、遵守するための仕組み作りが不可欠です。

  • ・開設者は必ずしも医師である必要はないが、管理者(院長)は必ず医師免許が必要。
  • ・MS法人を設立し、医療以外の経営業務を請け負う形であれば、実質的なオーナーになれる。
  • ・施術は医師または看護師に限られ、エステとの明確な線引きと資格者の確保が必須。

資格を持たないからといって医療脱毛ビジネスへの参入を諦める必要はありません。しかし、それは「法の抜け穴」を探すことではなく、医師と適切なパートナーシップを組み、医療安全を守る体制を整えることを意味します。

まずは信頼できる医師の確保と、専門家を交えた事業スキームの構築から始めてみてはいかがでしょうか。

 

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