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クリニック開業の流れを10ステップで解説!失敗しないための準備とスケジュール|テナント工房メディカル

Category:お役立ち情報

クリニックの開業は、多くの医師にとってキャリアにおける大きな目標の一つです。しかし、その道のりは複雑で、何から手をつければ良いのか分からないという方も少なくありません。

理想の医療を実現するためには、周到な準備と計画的なスケジュール管理が不可欠です。この記事では、クリニック開業の全体像を把握できるよう、準備開始から開業当日までの流れを具体的なステップに分けて詳しく解説します。

資金計画や行政手続き、成功のポイントまで網羅していますので、ぜひご一読ください。

 

 

クリニック開業までの大まかな流れとスケジュール

クリニックの開業準備は多岐にわたるため、全体像を把握し、計画的に進めることが成功の鍵となります。まずは、いつから準備を始めるべきか、そしてどのようなタイムラインで進んでいくのかを確認しましょう。

 

開業準備はいつから始めるべき?

一般的に、クリニックの開業準備は、開業予定日の1年半~2年前から始めるのが理想的とされています。特に、コンセプトの策定や事業計画、資金調達、物件探しには時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールを組む必要があるのです。

勤務医として働きながら準備を進める方がほとんどであるため、焦らず着実に一つひとつのステップをクリアしていくことが求められます。

 

開業までの標準的なタイムライン

以下に、開業までの標準的なスケジュール例を表で示します。これはあくまで一例であり、開業の形態や地域によって変動する可能性がある点を念頭に置いてご覧ください。

時期

主なタスク

開業18~12ヶ月前

開業コンセプト・診療方針の策定
情報収集
開業コンサルタントの選定
事業計画の策定

開業12~9ヶ月前

診療圏調査
開業エリア・物件の選定
資金調達(金融機関との交渉)

開業9~6ヶ月前

物件契約
設計事務所・施工業者の選定
クリニックの設計

開業6~4ヶ月前

内装工事着工
医療機器・医薬品の選定
保健所への事前相談

開業4~3ヶ月前

スタッフの採用活動開始
ホームページ制作・広告戦略の検討

開業3~1ヶ月前

各種行政手続き(開設届、保険医療機関指定申請など)
スタッフ研修
備品購入

開業1ヶ月前~当日

内覧会の実施
最終シミュレーション
開業

 

【ステップ別】クリニック開業の具体的な手順を解説

【ステップ別】クリニック開業の具体的な手順を解説

ここからは、クリニック開業までの流れを10の具体的なステップに分けて、それぞれで何をすべきかを詳しく解説していきます。

 

ステップ1:基本構想と事業計画の策定

最初に行うべきは、「どのようなクリニックを作りたいか」という基本構想固めです。自身の専門性や理想の医療を基に、診療方針や経営理念を明確に言語化します。この構想が、後の全ての意思決定の軸となります。

次に、その構想を実現するための詳細な「事業計画書」を作成します。事業計画書には、クリニックの概要、市場分析、収支計画、資金計画などを盛り込みます。これは金融機関から融資を受ける際に必須となるだけでなく、開業後の経営の羅針盤となる非常に重要な書類です。

 

ステップ2:開業エリアの選定と診療圏調査の実施

事業計画と並行して、開業地の選定を進めます。候補となるエリアの人口動態、年齢構成、競合クリニックの状況などを分析する「診療圏調査」を行いましょう。データ分析はもちろん、実際に現地に足を運び、人の流れや街の雰囲気を肌で感じることも大切です。

自身の診療科目に合った患者層が多く、かつ競合が激しすぎないエリアを見極めることが成功の鍵です。

 

ステップ3:資金調達の計画と金融機関への相談

事業計画書が固まったら、金融機関に融資の相談を開始します。自己資金で全てを賄うケースは少なく、多くの場合、日本政策金融公庫や民間の銀行から融資を受けることになります。

複数の金融機関と面談し、金利や返済期間などの条件を比較検討することが重要です。融資審査では事業計画の実現可能性が厳しく評価されるため、説得力のある計画書を準備しましょう。

 

ステップ4:開業物件の選定と契約

診療圏調査で絞り込んだエリア内で、具体的な開業物件を探します。物件には戸建て、ビルテナント、医療モールなど様々な形態があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。

内装の自由度や駐車場の有無、バリアフリー対応なども考慮し、クリニックのコンセプトに合った物件を選定します。契約前には、内装工事の制約や看板設置の可否などを必ず確認してください。

 

ステップ5:クリニックの設計と内装工事

物件が決まったら、設計事務所や施工業者と協力してクリニックの設計を進めます。患者の動線とスタッフの作業効率の両方を考慮したレイアウトが重要です。

待合室は患者がリラックスできる空間に、診察室はプライバシーに配慮した設計にするなど、コンセプトに沿った内装デザインを追求しましょう。設計図が完成したら、いよいよ内装工事が始まります。

 

ステップ6:医療機器の選定と導入

ステップ6:医療機器の選定と導入

診療方針に基づき、必要な医療機器を選定します。高額な機器も多いため、事業計画の予算内で優先順位をつけて選ぶ必要があります。購入だけでなくリースという選択肢も検討し、キャッシュフローを考慮した上で決定しましょう。

近年では電子カルテの導入が一般的ですが、メーカーによって操作性やサポート体制が異なるため、複数のデモンストレーションを受けて比較検討することをおすすめします。

 

ステップ7:行政への各種申請と届出

クリニックの開業には、様々な行政手続きが必須です。特に重要なのが、保健所への「診療所開設届」と、地方厚生局への「保険医療機関指定申請」です。

これらの申請が受理されなければ、診療や保険診療を行うことができません。提出期限が厳密に定められているため、計画的に準備を進める必要があります。

提出先

主な書類名

概要

保健所

診療所開設届

クリニックを開設したことを届け出るための書類。
開設後10日以内の提出が義務付けられている。

地方厚生局

保険医療機関指定申請書

保険診療を行うために必須の申請。
これが受理されて初めて保険診療が可能になる。

税務署

個人事業の開業届出書

事業を開始したことを税務署に申告するための書類。

消防署

防火対象物使用開始届出書

テナントなどに入居する際に必要となる書類。

 

ステップ8:スタッフの採用と教育体制の整備

看護師や医療事務、受付スタッフなど、クリニックの運営に不可欠な人材を採用します。求人媒体への掲載や人材紹介会社の活用など、様々な方法で募集を行います。面接では、スキルや経験だけでなく、クリニックの理念に共感してくれるかどうかも重要な判断基準となります。

採用後は、医療機器の操作方法や接遇マナー、診療の流れなどを学ぶ研修を実施し、チームとしての一体感を醸成しましょう。

 

ステップ9:集患のための広報活動の開始

ステップ9:集患のための広報活動の開始

地域住民にクリニックの存在を知ってもらうため、開業前から広報活動を開始します。まずはクリニックの顔となるホームページを作成しましょう。診療内容や医師の紹介、アクセス方法などを分かりやすく掲載します。

近隣へのポスティングチラシや駅看板、Web広告など、ターゲットとする患者層に合わせたマーケティング戦略を立てることも集患に繋がります。

 

ステップ10:開業前の最終準備と内覧会の実施

開業日が近づいたら、最終準備に入ります。医薬品や備品の搬入、スタッフとのオペレーションの最終確認など、やるべきことは山積みです。

そして、開業直前の週末などを利用して、地域住民や関係者向けに「内覧会」を実施しましょう。院内の雰囲気や設備を直接見てもらうことで、親近感を持ってもらい、開業後のスムーズな集患に繋げられます。

 

診療科別で見るクリニック開業資金の目安

クリニックの開業に必要な資金は、診療科目によって大きく異なります。特に、導入する医療機器の種類や価格が総額に大きく影響します。ここでは、テナント開業の場合の一般的な資金目安を診療科別にご紹介します。

診療科

開業資金の目安(テナント)

主な設備投資

内科・小児科

5,000万~8,000万円

レントゲン
エコー
心電図

整形外科

5,000万~9,000万円

レントゲン
リハビリ機器

皮膚科

2,000万~6,000万円

顕微鏡
紫外線治療器

眼科・耳鼻咽喉科

5,000万~8,000万円

各種専門検査機器

精神科・心療内科

1,500万~3,000万円

カウンセリングルームの内装

 

内科や小児科の場合の資金目安

内科や小児科の開業では、エコーや心電図、レントゲンなどの基本的な検査機器が必要となります。一般的に、5,000万円~8,000万円程度が開業資金の目安です。

感染症対策のための隔離室や、子供が安心して過ごせるような内装の工夫も考慮に入れると良いでしょう。

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整形外科や皮膚科の場合の資金目安

整形外科や皮膚科の場合の資金目安

整形外科では、レントゲン装置やリハビリテーション機器などが必要となり、5,000万円~9,000万円程度が目安です。

皮膚科は比較的大型の機器が少ないため、2,000万円~6,000万円程度から開業も可能ですが、美容皮膚科も標榜する場合はレーザー機器などで追加の資金が必要となります。

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眼科や耳鼻咽喉科の場合の資金目安

眼科や耳鼻咽喉科は、専門的な検査機器が多く、比較的高額になる傾向があります。どちらの科も、5,000万円~8,000万円程度の資金が必要となるのが一般的です。

特に眼科は、視力検査機器から手術に必要な機器まで、幅広い設備投資が求められます。

【関連記事】眼科の開業で失敗しないためのポイントは?資金調達から経営戦略まで網羅的に解説|テナント工房メディカル – クリニックの設計・内装デザインならテナント工房メディカル

 

精神科や心療内科の場合の資金目安

精神科や心療内科の場合の資金目安

精神科や心療内科は、他の診療科に比べて大型の医療機器を必要としないため、比較的少ない資金で開業することが可能です。内装やカウンセリングルームの環境づくりに重点を置くことが多く、開業資金の目安は1,500万円~3,000万円程度とされています。

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クリニック開業で失敗しないための3つの重要ポイント

最後に、クリニック開業を成功に導き、後悔しないために特に重要となる3つのポイントを解説します。

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ポイント1:綿密な事業計画を立てること

感覚的な経営ではなく、データに基づいた綿密な事業計画が成功の土台となります。特に、開業後数年間の収支シミュレーションは保守的に見積もり、運転資金に余裕を持たせた計画を立てることが極めて重要です。

計画通りに患者数が伸びない場合も想定し、事前に対策を考えておくことで、不測の事態にも冷静に対処できます。

 

ポイント2:専門家をうまく活用すること

医師は医療の専門家ですが、経営や法務、労務の専門家ではありません。開業準備の段階から、クリニック開業に詳しいコンサルタントや税理士、社会保険労務士といった専門家のサポートを受けることを強く推奨します。

専門家の知識と経験を活用することで、煩雑な手続きをスムーズに進められるだけでなく、経営上のリスクを回避し、本業である診療に集中できます。

 

ポイント3:集患対策を開業前から始めること

「良い医療を提供していれば患者は自然に集まる」という時代ではありません。開業前から計画的に広報活動を行い、地域住民にクリニックの存在と特徴をアピールすることが不可欠です。

ホームページの開設はもちろん、地域の特性に合わせた広告戦略を展開し、開院と同時に多くの患者に選ばれるクリニックを目指しましょう。

 

クリニック開業に関するよくある質問

クリニック開業に関するよくある質問

ここでは、クリニック開業を検討している先生方からよく寄せられる質問にお答えします。

 

医師会への入会は必須ですか?

医師会への入会は任意であり、法的な義務ではありません。しかし、入会することで地域の医療連携に参加しやすくなったり、健診や予防接種といった行政からの業務委託を受けられたりするメリットがあります。

地域の医療情報や経営に関するサポートを得られる場合もあります。入会金や会費が必要となるため、メリットとコストを比較検討して判断すると良いでしょう。

 

開業後の経営を安定させるにはどうすればよいですか?

開業後の経営を安定させるには、継続的な努力が求められます。まず、事業計画と実績を定期的に比較し、経営状況を常に把握することが大切です。

患者満足度を高めるための工夫を続け、良い口コミが広がるようなクリニックを目指しましょう。また、スタッフが働きやすい環境を整え、定着率を高めることも、質の高い医療を提供し続ける上で非常に重要です。

 

まとめ

クリニック開業は、コンセプト策定から始まり、事業計画、資金調達、物件選定、設計、各種申請、スタッフ採用、集患対策と、非常に多くのステップを踏む必要があります。その道のりは決して平坦ではありませんが、一つひとつの課題をクリアしていくことで、理想の医療を実現するという目標に近づくことができます。

本記事でご紹介した流れとポイントを参考に、まずはご自身の理想のクリニック像を描くことから始めてみてください。

 

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