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歯科医院の内装!理想的な広さと広さ別レイアウトのポイントをご紹介

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歯科医院の内装!理想的な広さと広さ別レイアウトのポイントをご紹介

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クリニックの内装デザインは、建物の広さによる影響を受けます。取得する物件が狭い場合は、院内のスペースにゆとりがないため、内装デザインの自由度も低くなります。

特に歯科医院の場合、歯科治療用のユニット(歯科用チェアユニット)を設置する関係上、開業に当たって他の診療科よりも広い面積が必要です。

この記事では、理想のクリニックを実現するために最低限必要な広さや、広さ別のレイアウトのポイントを紹介します。

 

≪歯科医院の内装に最低限必要な延床面積は?≫

クリニックの開業に当たって、最低限必要な延床面積(建物各階の床面積の合計)は、診療科によって異なります。以下の表は、延床面積の目安を診療科別にまとめたものです。

歯科医院の開業には、ある程度ゆとりある広さの建物が必要です。延床面積の目安は40~60坪と、他の診療科と比べ多くのスペースを必要とする傾向にあります。

しかし、受け入れる患者の人数や、設置する機器(歯科ユニットなど)の台数によっては、15坪や25坪の広さの建物でも開業することが可能です。特に首都圏では、物件の取得費や賃料相場が高いため、歯科医院の小型化が進んでいます。

また建物全体の広さだけでなく、院内の間取りを考慮して物件を選ぶとよいでしょう。診察室や待合室、スタッフルームなどの広さの目安を紹介します。

 

一般的な診察室に必要な広さの目安は9.9㎡以上

クリニックの間取りを決める際は、建築基準法や医療法などの法令の他、保健所が定める基準(構造設備基準や指導基準など)を守る必要があります。

特に診察室の広さは、自治体ごとに必要面積が定められていることが一般的です。例えば、東京都保健医療局の指導基準では、診療室の広さの目安は9.9㎡以上となっています(※1)。

大阪府のように、広さに関する基準はないものの、“待合室、受付、調剤所、診察室が区画され、それぞれ独立していること”という基準を設けている自治体もあります(※2)。自治体ごとの基準を前もって確認しておきましょう。

※東京都保健医療局「診療所(歯科診療所)新規開設の手引き(構造設備)」

※大阪府「診療所開設の手引き(個人(医師・歯科医師)開設・無床)」

 

歯科診察室はユニットに合わせて必要な広さを決める

歯科医院の場合、導入する歯科ユニットの寸法に合わせて、診察室(歯科診察室)の広さを決める必要があります。ユニットの設置寸法(設置した状態の寸法)だけでなく、アームの動作範囲や、周辺の空きスペースなども考慮しましょう。

歯科ユニットのメーカーにもよりますが、標準的な歯科診察室の広さは、幅2.1m、奥行き3m程度です。東京都の指導基準でも、ユニット1台につき6.3㎡以上の歯科診察室を設けるように推奨しています(※)。海外メーカーのユニットを導入する場合は、幅2.3m、奥行き3.1m程度のスペースを確保し、少しゆとりを持たせるとよいでしょう。

実際の設置寸法は、メーカーのカタログなどで確認してください。ただし、メーカーが推奨する設置寸法より狭い場所しか確保できない場合でも、効率的な空間設計によりユニットを設置できるケースがあります。都心部での開業など、クリニック全体の広さに限界がある場合は、その旨を施工会社に伝えておくことをおすすめします。

※東京都保健医療局「診療所(歯科診療所)新規開設の手引き(構造設備)」

 

待合室・受付エリアの推奨面積は3.3㎡以上

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診察室と同様に、待合室の広さも自治体によって基準が設けられている場合があります。例えば、東京都の指導基準によると、推奨される広さは3.3㎡以上です(※1)。

大阪府の場合、待合室の広さの基準はありませんが、受付や調剤所、診察室から独立した構造になっている必要があります。ただし、待合室と受付エリアの区画については、オープンカウンターの受付カウンターを採用するなど、完全に区画されていなくても構いません(※2)。

近年はインターネットでの診療予約や、診療時間の案内を行う歯科医院が増えており、狭い待合室でも効率的に歯科治療を提供できるようになりました。それでも、患者さんの快適性を考慮すると、待合室は可能な限り広くすることが望ましいでしょう。

また小児歯科医院など、主に子どもを診察するクリニックの場合、付き添いの家族と一緒に来院することが予想されます。ご家族も安心してお待ちいただけるよう、待合室のスペースは広く確保しましょう。

※東京都保健医療局「診療所(歯科診療所)新規開設の手引き(構造設備)」

※大阪府「診療所開設の手引き(個人(医師・歯科医師)開設・無床)」

 

スタッフルームや休憩所も確保しておく

きめ細やかな歯科治療を提供するには、患者だけでなく、現場のスタッフの働きやすさも考慮して間取りを決めることが大切です。

受付カウンターの裏側には、スタッフが着替えたり、休憩したりできるスタッフルームを設けるとよいでしょう。専用の部屋を用意することで、患者や他のスタッフの目を気にせず、心身をリフレッシュできます。

診察室やX線室、消毒室、患者さんの待合室など、歯科医院は必要な部屋数が多いため、広々としたスタッフルームを確保することは難しいかも知れません。その場合は、アメニティを設置したり、十分な採光を確保したりと、快適さを高める工夫を取り入れましょう。

 

将来的な拡張を見据えた空間設計も大切

歯科医院の間取りは、将来的な拡張も見据えて考えることが大切です。将来の経営環境の変化によっては、新しい歯科ユニットを導入したり、スタッフの増員を行ったりと、クリニックの大規模な増築・改修が必要になる可能性があります。

待合室や診察室には、会話の妨げにならない程度の音量で、モーツアルトなどのクラシック音楽や、ヒーリングミュージックをかけるとよいでしょう。心療内科では、雑音や話し声に敏感な患者様も多いため、聴覚過敏への対策にもつながります。

工事の間、休診してクリニックの収益を下げることなく、柔軟に院内のレイアウトを変更できるような空間設計を取り入れましょう。

 

≪【広さ別】歯科医院のレイアウトのポイント≫

ここでは、歯科医院のレイアウトのポイントを広さ別に紹介します。

 

15坪の歯科医院は狭さを感じさせない工夫が必要

広さが15坪(約49.5㎡)の歯科医院は、院内のスペースが限られるため、狭さを感じさせない工夫が必要です。

例えば、区画の一部をガラス張りにし、開放的な空間を演出するとよいでしょう。プライバシーに配慮する場合は、すりガラスを採用することで患者やスタッフの視線を遮れます。

例えば、区画の一部をガラス張りにし、開放的な空間を演出するとよいでしょう。プライバシーに配慮する場合は、すりガラスを採用することで患者やスタッフの視線を遮れます。

 

20坪の歯科医院は3~4台のユニット設置を目安に

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広さが20坪(約66㎡)の歯科医院も、クリニックとしては小規模に分類されます。「待合室を広くしたい」「スタッフルームと院長室を分けたい」といった希望がある場合は、効率的な空間設計が必要です。

例えば、各室の区画にパーテーションなどを使用することで、限られたスペースを有効活用できます。ただし大阪府のように、カーテンやアコーディオンカーテンなどの間仕切りの使用を禁止している自治体もあります(※)。

歯科診察室の広さは、3~4台のユニット設置を目安に決めるとよいでしょう。診察室の個室化は難しいものの、間取りによっては診察室から独立したカウンセリングルームを設置できるケースもあります。

※大阪府「診療所開設の手引き(個人(医師・歯科医師)開設・無床)」

 

30坪の歯科医院はゆとりある内装デザインを実現可能

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広さが30坪(約99㎡)の歯科医院なら、ある程度ゆとりを持たせた内装デザインを実現可能です。例えば、以下のような希望がある方は、少なくとも30坪程度の広さを確保しておくことをおすすめします。

  • ●スロープの設置や車椅子対応トイレの導入など、バリアフリーを意識したい
  • ●患者がリラックスできる、個室の診察室やカウンセリングルームを設けたい
  • ●子どもの来院を想定し、キッズスペースを用意したい(小児歯科など)

歯科診察室には、4~5台の歯科ユニットを設置できます。最初は2~3台のユニットで開業し、集客(集患)が軌道に乗ってから、台数を増やすのもよいでしょう。

 

40坪の歯科医院は「特診室」の設置も検討を

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広さが40坪(約132㎡)の歯科医院なら、通常の診察室に加えて「特診室」を設置できます。

例えば、インプラント治療や根管治療、歯のクリーニングなど、特定の歯科治療に特化した診療室を用意するケースが一般的です。またプライバシーが確保された個室で治療を受けたい方や、子ども連れで安心して治療を受けたい方など、特定のニーズに合わせて「特診室」を提供する場合もあります。

歯科診察室には、6台前後の歯科ユニットを設置可能です。1日当たりの患者数が多い歯科医院なら、効率的に診療を提供できるでしょう。

 

地域特性に合った歯科医院の広さの選び方

歯科医院の広さを決めるときは、開業予定地の地域特性や、ターゲットとなる患者層を考慮することが大切です。歯科医院の物件探しのポイントを4つ紹介します。

 

都市部と郊外で歯科医院に必要な広さは異なる

歯科医院の開業場所は、大きく都市型と郊外型の2種類に分けられます。

都市型の歯科医院は、立地が良く集患がしやすい代わり、物件の取得費や家賃相場が高いというデメリットがあります。都市部で歯科医院を開業する場合は、20坪前後の小型の施設となることが一般的です。診療単価を高めるため、保険診療ではなく、自費診療を中心として提供するクリニックも見られます。

一方、郊外型の歯科医院は、都市型よりもゆとりのある空間設計が可能です。開業場所もビルテナントではなく、平屋や戸建てを選ぶ方が多い傾向にあります。ただし、郊外では主な交通手段が車となるため、クリニックに駐車場を設置する必要があります。

 

一方、郊外型の歯科医院は、都市型よりもゆとりのある空間設計が可能です。開業場所もビルテナントではなく、平屋や戸建てを選ぶ方が多い傾向にあります。ただし、郊外では主な交通手段が車となるため、クリニックに駐車場を設置する必要があります。

 

人口密度に応じて必要な広さを考えることも大切

クリニックの広さは、開業予定地の「診療圏調査」に基づいて決めることが一般的です。診療圏調査とは、その地域(診療圏)で開業した場合に、どの程度の集患が見込めるかを調べる調査です。一般的に人口密度が高い地域ほど、見込み患者数も多くなります。

開業前に必ず診療圏調査を行い、その地域の人口密度に合わせてクリニックの必要面積を考えましょう。人口密度が低い地域で大規模な歯科医院を開業すると、集患に苦戦し、投資した金額の回収に時間がかかる可能性があります。

 

ターゲットの患者層に合わせてレイアウトを設計する

診療圏調査を行う際は、主なターゲットとなる患者層を分析することも大切です。以下のような観点から、クリニックの診療コンセプトを決めるとよいでしょう。

  • ●その地域の年齢層や男女の比率(どの年代や性別の患者が来院しやすいか)
  • ●小児患者数は平均より多いか(小児歯科を開業する余地があるか)
  • ●高齢化はどの程度進行しているか(インプラント、入れ歯などの需要が見込めるか)

 

ターゲットとなる患者層が分かっていると、歯科医院のレイアウトも決めやすくなります。例えば、中~高年層の患者数が多い場合は、高齢者でも利用しやすいようにトイレのスペースを広く確保したり、廊下に手すりを設置したりしましょう。

 

競合となる歯科医院を分析するときのポイント

歯科医院の広さやレイアウトをどうするか迷ったら、競合となるクリニックを参考にするとよいでしょう。

その地域に歯科医院が何件あるか、競合の強みは何か、といった点を分析することが大切です。内装デザインにおいても、その地域では少ない独自のコンセプトを採用することで、他院との差別化を図れます。

 

集患につながる歯科医院のレイアウトのポイント3選

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集患につながる歯科医院のレイアウトには、3つの共通点があります。

1. 患者やスタッフの動線を考慮する
2. 排水管・給水管などの設備部分を確認する
3. 居心地の良い空間作りを意識する

 

1. 患者やスタッフの動線を考慮する

1つ目は、患者やスタッフの動線を考慮することです。

歯科医院をはじめとしたクリニックは、受付・待合室、診察室、X線室(歯科用CT)、カウンセリングルーム、トイレ、スタッフルーム、院長室など、各部屋が区画されています。患者やスタッフがスムーズに各部屋を行き来できるようにレイアウトを考えましょう。

レイアウトの決め方は、それぞれの動線を分けて考える「動線分離」、同一の動線として考える「セミオープン」の2種類があります。

 

2. 排水管・給水管などの設備部分を確認する

2つ目は、排水管・給水管などの設備部分をしっかりと確認することです。

歯科医院は他の診療科と比べ、多くの配管を必要とします。主要なものだけでも、水道管やエアー管、バキューム管などの配管が床下に通っています。

配管の種類 目的
水道管 給排水用
エアー管 歯科ユニット用
バキューム管 歯科ユニット用

 

配管の配置によって、院内のレイアウト(歯科ユニットを設置する診察室の場所など)が変わってくるため、事前に確認しておくことが大切です。また将来的な拡張を見据えて、歯科ユニット増設用の配管工事を行っておくのもよいでしょう。

 

3. 居心地の良い空間作りを意識する

3つ目は、居心地の良い空間作りを意識することです。

特に患者さんが長時間過ごす待合室は、照明や配色などを工夫し、リラックスして過ごせる内装デザインにしましょう。

また全体のスペースに余裕がある場合は、診察室を個室・半個室にするのもおすすめです。治療中のプライバシーを確保できるため、患者さんが不満やストレスを感じにくくなります。

 

≪まとめ:歯科医院の内装デザインに必要な広さやレイアウトのポイントを知ろう≫

歯科医院の内装デザインは、建物の広さによって変わってきます。特に歯科医院では、診察室に歯科ユニットを設置する必要があるため、他の診療科よりも広いスペースが必要です。理想のクリニックを実現したい方は、ある程度の広さを確保しておくとよいでしょう。

院内のスペースが限られるクリニックでも、診察室をガラス張りにするなど、工夫次第で狭さを感じさせない内装デザインを実現できます。

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